職場のメンタルヘルス対策とは?4つのポイントと5つの取り組みを解説
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職場のメンタルヘルス対策とは?4つのポイントと5つの取り組みを解説

HELPO マガジン

職場における健康管理が重要視される中、メンタルヘルスの管理や対策が注目されています。メンタルヘルスは個人の健康維持と企業の健康経営に欠かせません。個人と組織それぞれで、適切なメンタルヘルス対策を取り入れることが大切です。

この記事では、職場のメンタルヘルス対策におけるポイントや、推奨されている取り組みについて詳しく紹介します。企業全体でメンタルヘルス対策の実践を考えている経営者や人事担当者の方などが、自社での取り組みをスムーズに検討するために役立つでしょう。

メンタルヘルス不調とは

メンタルヘルスとは「心の健康状態」のことです。精神的なストレスや疲労、強い不安感や緊張感などの精神状態もメンタルヘルスに含まれます。メンタルヘルス不調というと、心の健康状態が保たれていないことを意味し、仕事関連の悩みや不安が強い状態も当てはまります。

メンタルヘルス(心の健康状態)の不調について、厚生労働省は以下のように定義しています。

“精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むものをいう”(出典:労働者の心の健康の保持増進のための指針|厚生労働省

仕事内容や人間関係に対して、不安やストレスを感じる要因や程度は個人で異なります。ただ、心の健康障害や疾患を抱える人、通院者や自殺者の数は増加傾向にあり、社会問題として取り上げられています。こうした課題解決のためにも、効果的なメンタルヘルス対策の実践が必要です。

職場のメンタルヘルス対策が企業に求められる理由

職場のメンタルヘルス対策が企業に求められている理由として、従業員の心の健康状態が組織全体の活力や生産性の向上につながる点が挙げられます。

メンタルヘルス不調により、脳の機能に影響し、集中力や判断力、個々の仕事の質やスピードが低下する可能性が高まります。また、仕事に対する意欲や好奇心などの低下も考えられるでしょう。メンタルヘルスの不調が原因で休職や離職労働が増えると、労働力不足により業績低下を招きかねません。

厚生労働省による「令和2年労働安全衛生調査」によると、メンタルヘルス不調が原因で連続1ヶ月以上休業あるいは退職した労働者がいた事業所は全体の9.2%、約1割にも上ります。

メンタルヘルスは個人の問題として捉えられがちですが、組織全体の活力や生産性に大きく影響していると理解した上で、可能な対策を取り入れることが大切です。

メンタルヘルス対策の3つの段階

メンタルヘルス対策と一言で言っても、個人から組織全体まで規模や具体的な対策が異なります。職場で効果的なメンタルヘルス対策を続けるためには、現状に合った対策の長期的な実践が有効です。ここでは、メンタルヘルス対策をスムーズに取り入れるための「3つの段階」を紹介します。

一次予防(未然防止)

一次予防は、メンタルヘルス不調を起こす前の予防の段階です。原因となるストレスなどを解消するために、労働者個人の緩和ケアなどが該当します。また、労働者のストレスを発生させないために、労働環境を見直し人間関係や労働時間などの改善に取り組むことも大切です。

企業全体では、ストレスチェック制度の導入や、ストレスマネジメント研修などを通して、1人ひとりのメンタルヘルスに対する意識を高めます。適度な運動や睡眠などの生活習慣を改善するための取り組みも有効です。

二次予防(早期発見・早期対処)

二次予防では、メンタルヘルス不調が見られた労働者の早期発見と措置の実施を目指します。状態が悪化する前に不調の原因を的確に突き止め、改善していく必要があります。

具体的な対策としては、労働者自身が不調に気づいたときに自発的に相談できる窓口や産業医との面談時間を設けるなどです。また、外部のメンタルヘルス専門サービスとの連携も効果的です。さらに、同じ職場の同僚やマネージャー層が本人の異変に気づき、相談できるような環境づくりも含まれます。

三次予防(再発・再燃の防止と職場復帰支援)

三次予防では、メンタルヘルス不調の再発・再燃防止と、休職した労働者の職場復帰のサポートが中心です。メンタルヘルス不調を起こした労働者の中には、同じような状態を繰り返してしまうケースも少なくありません。特に、真面目な人ほど改善に時間がかかる傾向があり、復帰後に再発しやすいため注意が必要です。

職場復帰に対する不安や焦りの緩和といった精神面のフォローや、再発防止策の検討、業務上の支援などが具体策として挙げられます。職場において復帰のフローを細かく設定しておくなど、三次予防を丁寧に行うことで、不調の再発による休職や離職の防止につながります。

メンタルヘルス対策の4つのケア

メンタルヘルス対策においては、上記3つの段階を通して労働環境や組織の改善、情報共有などを進めつつ、長期的な計画のもと「4つのケア」を実践することが大切です。ここでは、4つのケアについて詳しく解説します。メンタルヘルスケア対策を、多面的かつ効果的に導入するために参考になるでしょう。

セルフケア

セルフケアは、従業員自身で心の健康のために行うケアのことです。ストレス予防や解消、心理的な異変や違和感に気づいたタイミングで適切に対処することを指します。

毎日の業務が忙しく、自分がストレスを抱えていることにすら気づきにくい可能性も否めません。心身の健康状態を、まず自らが的確に把握してセルフケアに取り組むことで、メンタルヘルス不調を未然に予防できるでしょう。

また、メンタルヘルスに関する教育研修や情報提供など、ストレス対処法を従業員が理解できるよう企業側の取り組みも重要です。

ラインによるケア

ラインによるケアは、職場の管理監督者が従業員のメンタルヘルス状態を把握し、職場環境全体で改善を図ることです。ラインとは「日常的に従業員と接する、職場の管理監督者(上司その他労働者を指揮命令する者)」と、定義されています。

マネージャー層やチームリーダーなど管理監督者の中には、日常業務が忙しく担当する組織の労働状況や個人の相談などにリソースを割けない場合もあります。部下とコミュニケーションが取れる環境づくりの促進や管理監督者に対するラインケア研修、情報共有などが有効です。

事業場内産業保健スタッフ等によるケア

事業場内の産業保健スタッフとは、産業医や衛生管理者、保健師など専門スタッフによるサポートを指します。セルフケアおよびラインによるケアが効果的に実施されるよう、サポートすることも事業場内産業保健スタッフによるケアに該当します。

個別の相談対応や支援だけではなく、メンタルヘルス研修の企画や実施、従業員からの相談制度や体制の調整なども含まれます。メンタルヘルスケア対策全体を通した取りまとめや計画立案、監修なども専門スタッフの任務です。

事業場外資源によるケア

事業場外資源によるケアは、メンタルヘルスケアの専門知識を持つ外部機関によるメンタルヘルス対策のサポートです。都道府県メンタルヘルス対策支援センター、地域産業保健センター、医療機関といったメンタルヘルスケア機関および専門家とのネットワークを形成、活用してメンタルヘルス対策を進めます。

メンタルヘルスケア専門の外部機関に委託することで、事業場内での相談を希望しない従業員への効果が期待できます。また、企業レベルにおけるメンタルヘルスの課題を、客観的な分析と専門的な支援により解決できる点もメリットです。

メンタルヘルス対策を進めるための4つのポイント

メンタルヘルス対策は、自社内だけでなく外部の専門機関の協力を仰ぐことで、よりスムーズな導入と実践が可能です。ここでは、厚生労働省の「事業場におけるメンタルヘルス対策の取組事例集」に沿って、効果的なメンタルヘルス対策の4つのポイントを紹介します。

自社の状況に合ったメンタルヘルス対策を計画、実行するために役立てましょう。

参考:事業場におけるメンタルヘルス対策の取組事例集

メンタルヘルス対策に関する方針の表明

初めに、メンタルヘルス対策に関する方針を明確に表明しましょう。効果的なメンタルヘルス対策には、従業員と管理監督者それぞれの取り組みが必須です。

社長や経営層自らが、経営理念や経営方針の中でメンタルヘルス対策への取り組みや社員の健康第一を表明することは、社員の安心につながります。経営理念とともに心身の健康を社内外に提示し、それに基づく施策を展開している企業もあります。

倉庫業の中規模企業では「社員が健康に働き続けられることを第一とする」という会長の理念を明確に打ち出し、従業員全員に浸透させることで、労働時間の短縮化も自然と進みました。

メンタルヘルス対策に関する計画の策定・見直し

メンタルヘルス対策の効果を得るためには、長期的な計画の元、組織レベルで継続的に進行する必要があります。衛生委員会や産業医などメンタルヘルス対策の専門家の意見を仰ぎ、計画の策定や見直しを適宜行うことで、自社の状況に即した対策の実施が可能です。

健康経営に向けた3年分の計画を策定し、経営幹部やマネージャー層に説明し、社内へ周知している企業もあります。個人と全社両方における中長期的な取り組みが進めやすい環境が整っています。

また、ある大企業では、心の健康づくり計画とともにメンタルヘルス評価指標を設定しました。ストレスチェックの集団分析結果や休職者数などの評価や、現状把握による新たな対策の立案、対策の効果評価を導入することで効果が見える化され、検証や改善が効率よく進んでいます。

事業場外資源の活用

事業場外資源の活用も視野に入れましょう。すべての企業で、産業医や保健師などの専門職が常駐しているとは限らず、特に中小企業ではメンタルヘルス不調者への専門的な対応が難しい場合もあります。事業場外資源を有効活用することで、メンタルヘルス対策の実行ハードルが下がるでしょう。

一例として、労働衛生コンサルタントの資格を持つ保健師による社員面談を実施している企業や、産業保健総合支援センターの助言を取り入れ環境整備や研修実施を行っている企業があります。

関係者への理解・協力の呼びかけ

メンタルヘルス対策をスムーズに進めるために、取引先など関係者の理解と協力を呼びかけましょう。対策を一緒に検討して、理解と協力を仰ぐ方法などが有効です。

ある企業では、定期的に衛生委員会への参加者を変えるなど、個人がメンタルヘルス対策に関心を持つための取り組みを行っています。

また、学校での働き方革命の一環として、教員と保護者、地域住民でトーク会を開き、理解と協力を求めた事例も紹介されています。結果、PTA団体と教育委員会との協働の動きが広がりました。

職場のメンタルヘルス対策の具体的な5つの取り組み

ここからは、職場でのメンタルヘルス対策の具体的取り組みを紹介していきます。メンタルヘルス対策におけるポイントやケア方法、予防策について理解できても、何から始めたらいいかわからない場合もあるでしょう。

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中で推奨されている4つの具体策について解説していきます。

参考:労働者の心の健康の保持増進のための指針

職場環境の改善

従業員のメンタルヘルス不調には、職場環境や人間関係、業務時間などいろいろな要因が関与しています。中には、パワハラやセクハラといった職場内ハラスメントが、メンタルヘルス不調を悪化させているケースも少なくありません。

職場の設備や人間関係を的確に把握し、残業時間の短縮や仕事量の調整などを必要に応じて行うことが、メンタルヘルス対策として有効です。メンタルヘルスには心理的な要因も深く関わっていますが、物理的な改善からスタートし、段階的に施策を実施していくと、メンタルヘルス対策を社内に無理なく浸透できるでしょう。

ストレスチェックの実施

ストレスチェックの実施もメンタルヘルス対策に効果的です。ストレスチェックとは、従業員のストレスレベルを判定するアンケート検査のことで、その結果に基づき面談指導や集団レベルでの集計・分析といった事業場での一連の取り組みである「ストレスチェック制度」が行われます。

ストレスチェックを通して、従業員が自らストレスに気づき、メンタルヘルス不調の予防を図ることが可能です。ストレスチェック制度は2015年に厚生労働省により義務化されました。従業員50人以下の事業場では努力義務ですが、中小企業ほどメンタルヘルス対策への取り組みが遅れやすい傾向があり、自主的な取り組みが大切です。

メンタルヘルスに関する情報の提供や研修の実施

メンタルヘルスに関する情報提供や教育研修の実施も、メンタルヘルス対策には重要です。全社的にセルフケアやラインケアの重要性について共有することで、メンタルヘルス不調の全社的な予防に役立ちます。

ストレスへの対応の仕方や相談できる機関の紹介が書かれたパンフレットの作成などは、小規模の事業場でも取り組みやすい施策です。社外でのメンタルヘルス研修や健康経営に関する講習など、全社的にメンタルヘルスへの啓蒙ができる活動を取り入れましょう。

産業医の活用

産業医にもメンタルヘルス対策への協力を依頼しましょう。社内のメンタルヘルス対策を効果的に実施するためには、人事担当者や経営層だけでなく、産業医や外部のクリニック、企業のメンタルヘルスケアをサポートする従業員支援プログラム(EAP)などの活用が有効です。

産業医の役割としては、健康診断の実施や結果への対処、長時間労働者への面談指導、ストレスチェックの実施などです。適切な医療機関の紹介や休職者の復職支援など、従業員の心身の健康サポートを行います。多くの産業医は常勤ではないため、円滑なコミュニケーションや的確な情報提供が大切です。

相談窓口の設置

従業員がメンタルヘルスについて気軽に相談できる窓口の設置も検討しましょう。メンタルヘルス対策では、不調を起こす前の予防が効果的です。産業医以外にも、仕事や職場に関する悩みや不安を打ち明けられる相談窓口があれば、一次予防から三次予防までの段階をカバーできます。

また、相談窓口では従業員の休職から復職まで一貫して支援できるため、リスクマネジメントとしても有効です。気を遣ってなかなか相談できないときのために、人事部以外の窓口を用意することを検討しましょう。

メンタルヘルス対策に「HELPO」をご活用ください

メンタルヘルス対策を進める上で、従業員個人のメンタルヘルスや健康管理への意識が必要不可欠です。気軽に相談できる窓口やメンタルヘルスの理解を深める教育研修などとともに、個人レベルで小さな悩みや不安から解消できるようなシステムも「健康経営」への効果が見込めます。そこで、メンタルヘルスの向上と維持に有効な「HELPO」の導入がおすすめです。

HELPOは、医師や看護師、薬剤師にオンライン上で直接相談できるチャットサービスです。ストレスによる寝不足や飲酒習慣の改善など、気になる体調不良についてスマホを通じて相談できます。HELPOを自社に導入することで、社員のメンタルヘルス対策だけでなく福利厚生の充実にも有効です。

まとめ

メンタルヘルス対策は、企業の大切なリソースである社員の労働力を確保するために重要です。厚生労働省もメンタルヘルスに対する呼びかけを強化しています。記事内で紹介してきた3つの予防段階や4つのケア、対策の4つのポイント、そして具体的な取り組みへの理解を深め、自社に適した対策を実施しましょう。必要に応じて外部の専門機関や産業医へ相談すると、スムーズな対策実施につながります。

個人のメンタルヘルス対策としてオンラインチャットサービス「HELPO」も有効です。産業医が常勤していない事業場や企業でも、24時間365日オンラインで医師や看護師、薬剤師に気軽に相談できます。従業員の心の健康のために、HELPOの導入を検討してみましょう。


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