健康経営とは?推進すべき理由と目的・企業が導入するメリットや取り組み方
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健康経営とは?推進すべき理由と目的・企業が導入するメリットや取り組み方

働き方改革の推進とともに「健康経営」という言葉を耳にする機会が増えました。しかし、健康経営とは何をするのか具体的に分からない方も多いのではないでしょうか。実は健康経営を取り入れることで、企業にとっても従業員にとってもさまざまなメリットがあります。

そこでこの記事では、健康経営について詳しく解説しました。この記事を読むことで、健康経営の取り組み方や気をつけるべきポイントも確認しておきましょう。

1.健康経営とは?目的と社会的背景

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健康経営とは、企業が従業員の健康管理を経営的視点で考え、戦略的に実施することです。健康経営をしっかりと取り組むことで、従業員が心身ともに健康になり、業務パフォーマンスの向上や離職率の低下といったメリットがあります。

また、労働人口の減少や働き方改革の推進などの社会的背景から、健康経営が一層注目されるようになりました。ここでは健康経営の目的や社会的背景について解説します。

1)健康経営の目的はビジネスの継続と向上
健康経営の主な目的は、従業員が健康になることで業務パフォーマンスを上げ、生産性や利益の向上を狙うことです。そのために従業員の健康を企業側が戦略的に管理します。従業員の体調が不健康だと、集中力やモチベーションの低下による業績悪化だけでなく、重大な事故につながってしまうかもしれません。

体調不良による遅刻・欠勤・退職などがあれば、他の従業員の業務量が増え長時間労働をしなければいけなくなることもあるでしょう。長時間労働が原因で従業員が退職してしまうかもしれません。このような負のスパイラルを断ち切るためにも健康経営にきちんと取り組むことが大切です。

2)労働人口の減少
中小企業庁が公表した労働力人口の推移によると、44歳以下の労働人口が減少傾向にあります。一方で65歳以上の労働参加率は少子高齢化の影響もあり増加傾向です。労働人口の減少幅は1995年から2015年までの20年間で約42万人と、今後も労働人口の減少は問題視されるでしょう。

また労働力人口の減少に伴ってGCP(社内総生産)が減少する懸念もあります。このような背景から、健康経営に力を入れ、従業員一人ひとりの労働生産性の向上が課題となってくるでしょう。

(参考サイト:中小企業庁|第2節 日本の人口動態と労働者構成の変化https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/h30/html/b2_1_2_1.html

3)社会保険料の増加
従業員の体調不良やメンタルヘルスの不調により、症状によっては病院を受診しなければならないこともあるでしょう。病院でかかる医療費は社会保険料として企業側も負担するため、社員の健康は企業の経営に少なからず影響を与える要因となります。

さらに近年は従業員のメンタルヘルスの不調により、企業負担の医療費が増えている傾向にあります。社会保険料を抑えるためにも従業員の健康は欠かせません。

4)「働き方改革」との関連性も強い
「働き方改革関連法案」という法律があるように、従業員の働き方の見直しは政府も力を注いでいます。少子高齢化が問題となっている日本では、生産年齢人口の変化や働くスタイルの多様化といった、新しい変化や課題に対応していかなければいけません。

働き方改革の課題には「長時間労働の解消」や「非正規社員と正社員の格差是正」、「労働人口の減少」の3つがあります。特に長時間労働による過労死や自殺などは、ニュースでも取り上げられるほど大きな問題となりました。このような問題を解決する手段として、健康経営を取り入れている企業も多く存在します。

2.不健康経営の悪影響と会社の末路

不健康経営を続けていると負のスパイラルが生まれる可能性があります。例えば、体調不良による欠勤率が増え、その分の業務を他の従業員がカバーするべく長時間労働を行ったとしましょう。長時間労働の疲れやストレスにより「注意力欠如」「集中力が続かない」「判断力低下」などが原因で、重大なミスや事故を起こしてしまうかもしれません。

そのようなミスや事故の影響で企業イメージが低下し、人手不足に陥ったり利益がさらに減少してしまったりすることもあります。負のスパイラルが生まれ、企業は赤字を出してしまい最悪の場合倒産の危機もあるでしょう。このような負のスパイラルを断ち切るためにも健康経営は大切な取り組みといえます。

3.【生産性◎離職率低下!採用も◎】健康経営に取り組むメリット3つ

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肉体的にも精神的にも不健康だとヒューマンエラーの原因になり、最悪の場合には大きな事故につながってしまうかもしれません。しかし、健康経営にきちんと取り組んでいれば生産性が向上するだけでなく、離職率の低下や企業イメージの向上にもつながります。

特に多くの企業が人手不足の問題を抱えているため、離職率や企業イメージ向上のためにも健康経営は大切な課題となるでしょう。ここでは健康経営に取り組むメリットを3つ紹介します。

1)生産性アップ
従業員が健康でいることで、体調不良による遅刻・早退・欠勤が減ります。また活力がアップすることで集中力や判断力の向上に期待でき、業務の効率化や生産性の向上につながるでしょう。

一方、不健康なまま仕事をすれば集中力が低下しミスや事故のリスクが高まります。また大きな病気にかかってしまい、働けなくなってしまうこともあるかもしれません。貴重な人材を失えば、その分企業の利益低下にもつながります。企業側が従業員の健康増進を戦略的に進めることで企業の利益向上にもなるため、健康経営は大切な課題です。

2)離職率の低下
ストレスのない働きやすい会社であれば「長く働いていたい」と考える方が多いでしょう。しかし、企業側が従業員に無理な労働を押しつけていれば、仕事に不満を持つ人が増え離職率は上昇します。こうした自体を防ぐためには企業側の一人ひとりの健康への配慮が大切です。

また従業員側としても、企業が従業員一人ひとりの健康について考えてくれるのであれば、愛社精神が湧き企業に対する貢献意欲も高まるでしょう。その結果、社員定着率が上がり離職率の低下に期待できます。

3)企業のイメージ戦略にもなる
健康経営に取り組むことで企業イメージの向上にもつながります。企業イメージが向上すると企業ブランドの価値を高めることができ、より多くの人に自社ブランドを知ってもらえるでしょう。また、投資家に注目され株価が上昇するメリットもあります。

健康経営で成果を出すことで「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人」に選出されるかもしれません。このような制度の認定を受けると、「ホワイト企業」として良いイメージをアピールできるでしょう。ホワイト企業で働きたいと考えている方は多いため、求人募集をかけても応募者が集まりやすいメリットがあります。

4.政府も推進!健康経営の制度をチェック

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健康経営で優秀な取り組みを実践する企業や成果を出している企業は「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人」という認定を受けられます。認定されることで、助成金や金利優遇といったインセンティブを受け取れたり、企業イメージの向上につながったりと企業にとってうれしいメリットばかりです。

政府も推進している制度なのでチェックしておきましょう。ここでは健康経営の制度について解説します。

1)健康経営銘柄とは
健康経営銘柄とは、健康経営で優れた取り組みをしている上場企業を選定し公表する取り組みです。経済産業省と東京証券取引所が共同で行っており、「国民の健康寿命の延伸を目的とし、戦略的に健康経営に取り組んでいる企業」が選出されます。

健康経営銘柄に選出されることで、企業イメージの向上につながります。企業イメージの向上はブランド価値を高める効果も期待でき、投資家に注目され株価が上昇しやすい点が魅力です。また社会的信用度が上がり、「ホワイト企業」として社外からも認められるメリットがあります。

以下に記載する経済産業省のサイトに「健康経営銘柄2021」の選定企業が発表されているので、どのような企業が選出されているのか、ぜひ参考にしてみてください。

(参考:『経済産業省|健康経営銘柄』/以下のリンクを挿入してください: https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_meigara.html)

2)健康経営優良法人とは
健康経営優良法人とは、「日本健康会議によって定められた、従業員の健康課題に戦略的に取り組んでいる優良な企業」に顕彰される認定制度です。健康経営を実施している企業を社会的に幅広く知ってもらう「見える化」のためにも設けられました。

認定されることで、社会的な評価を受けられたり、健康経営優良法人のロゴマークが使用できたりといったメリットがあります。健康経営銘柄との違いは、法人規模によって部門が2つに分かれていることです。

規模の大きな法人には「大規模法人部門」、中小規模の法人には「中小規模法人部門」があります。また大規模法人部門の中でも優秀な上位500の法人には「ホワイト500」、中小規模で優秀な取り組みを行なっている法人は「ブライト500」と、さらに評価制度があるのも魅力です。

3)健康経営度調査について
健康経営度調査とは、企業の健康経営の取組状況や経年での変化を分析するために設けられた調査です。健康経営銘柄や健康経営優良法人(大規模法人部門)を認定する際の基礎情報を把握するために実施しています。

調査は主に大企業を対象としていますが、中小企業でも認定のポイントが分かるようになっている点が魅力です。健康経営度調査に回答することで、これから健康経営に取り組む企業は、取り組み方や重視するポイントの理解が深まります。

5.大丈夫?健康経営に取り組むべき企業の特徴

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少子高齢化やコロナ禍の影響などで健康経営はますます注目されるようになりました。しかし、健康経営の取り組みを始めていない企業も多く存在します。健康経営に取り組むメリット、取り組まないリスクを考えると、多くの企業が取り組むべき課題といえるでしょう。ここではどのような企業が健康経営に取り組むべきか解説します。

1)高年齢層の従業員が多い
年齢が高ければ有病率は高まる傾向にあり、高年齢層の従業員が多い企業ほど健康経営に取り組むべきといえるでしょう。中小企業庁の発表では、労働人口年齢が上昇しているとのデータがあります。しかし、人手不足が問題視されている日本では、高年齢層の労働力は貴重です。

また高年齢層の従業員はベテランも多く、企業としても貴重な人材である場合が多いでしょう。高年齢層の従業員が多い企業ほど、一人ひとりの健康状況の把握や支援が大切です。

2)ストレスチェックの結果が不良
「労働安全衛生法」が改正されたことにより、労働者が50人以上いる事業所ではストレスチェックが義務化されました。毎年1回、労働者に対してストレスチェックを実施し、仕事に対するストレスや心身のストレスがないか把握します。ストレスチェックの結果が悪いと労働者は不健康のおそれがあるため、就業上の措置を取らなければいけません。

場合によっては医師による面接指導を行うこともあるでしょう。ストレスチェックの結果が悪い従業員が多ければ、積極的に健康経営に取り組むべきといえます。

3)長期休業者や早期退職者の割合が多め
病気やうつ病など、体調不良が原因で長期休業者や早期退職者が多い場合、企業は健康経営に取り組むべきでしょう。体調不良の原因として、業務に何かしら問題があるかもしれません。就業状況の把握や業務内容の改善など、企業側で取り組む健康経営課題を見つけたほうがよいでしょう。

また、健康経営に取り組むことで企業イメージが上がり、採用活動がよりスムーズに進むことにも期待できます。

4)人材不足により長時間労働になっている
慢性的な人材不足により、従業員が長時間労働を行っている会社もあるでしょう。長時間労働はストレスや体調不良の原因になるので、企業側としても残業を極力させたくないと考えるものです。無理な長時間労働が原因で過労死してしまう可能性もあります。

従業員に不満やストレスが溜まると欠勤や退職につながり、人材不足と利益低下の負のスパイラルに陥ってしまうかもしれません。このような負のスパイラルを早めに脱却するためにも、健康経営は取り組むべきといえます。

6.健康経営にスムーズに取り組む手順

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健康経営にスムーズに取り組むためには流れを把握しておくことが大切です。何も計画性や目標が定まっていないまま健康経営に取り組んでしまえば、従業員はとまどってしまいますし、企業一体となって成果を出すのは難しいでしょう。ここではどのように健康経営に取り組めばよいか、手順を詳しく解説します。

1)健康経営の導入を宣言する
まずは従業員に健康経営を導入することを宣言し、意思表示するのが大切です。従業員にしっかりと意思表示することで経営者と従業員が一体となって取り組めます。

また、具体的にどのように取り組むのか、経営理念に基づいて目標や計画性をしっかりと伝えることが大切です。計画に具体性がなければ、従業員はどのように行動したらよいかわかりません。より積極的に取り組みたいのであれば、従業員だけでなく社外に伝えるのもよいでしょう。

全国健康保険協会では健康企業宣言を支援しています。また、各健康保険組合でも支援の仕組みを整えているところもあります。健康経営に取り組んでいる企業はインセンティブがもらえるケースがあるため、積極的に社外へ伝えていくとよいでしょう。

2)担当部署・担当者の配置
健康経営を取り組むうえで、組織体制をしっかりと作り上げるのもよいでしょう。健康経営を管理する担当者を人事に置いたり、担当部署を作ったりと、業務として役割を与えることで責任を持って取り組めます。

また、健康管理についての研修を受け、健康経営アドバイザーを育成するのもよいでしょう。健康経営アドバイザーはe-learningでどこでも研修が受けられ、効果測定で一定の基準を満たしていれば健康経営アドバイザーとして認定されます。

3)現状における課題の把握
実際の取り組みの前に「業務上に何か問題がないか」「従業員の健康状態やストレスは抱えてないか」など、現状を把握し問題点を洗い出すことが大切です。健康課題が把握できれば今後の計画も立てやすくなります。

スキルチェック、定期的に従業員と面談、健康診断の数値確認などを行い、データを分析し評価しましょう。部署別・業務別といった、分類できるものは分けて健康課題を分析するのがポイントです。

4)具体的な計画を作成・実行
健康課題を明らかにしたら、明確な目標と具体的な計画性を従業員に告知しましょう。できる限り数値化できる目標を設定するのがポイントです。数字であれば成果の可視化がしやすく、分析や評価に役立ちます。

成果が数字で現れるものは、欠勤率やストレスチェック、健康診断などです。数値が悪い部署は数字を改善していくように業務改善や周囲の環境改善に努めるとよいでしょう。

5)評価と改善を繰り返す
健康経営に取り組んでもすぐに良い結果がでるわけではありません。ある程度時間をかけて少しずつ取り組んでいくのがよいでしょう。そのためには、従業員の参加率や満足度、生産性、モチベーションの変化など、細かくデータを分析し評価します。評価を元に目標や計画の見直しをしましょう。評価と改善は定期的に、こまめに行うのがポイントです。

7.健康課題の導入における課題や注意点

健康課題は簡単に改善されません。従業員はそれぞれ多種多様なストレスを抱えている場合もあるため、臨機応変に対応するのが大切です。また従業員の健康状態の把握は数値化するのが難しく、健康経営の成果は現れにくいため、データ収集や評価が難しいとされています。まずは要点を絞り、時間をかけて少しずつ取り組むのがポイントです。

また、健康経営に関心のない従業員にとっては、取り組みがかえってストレスになってしまうかもしれません。できる限り従業員の負担にならないよう、手軽にできる取り組みから始めてみましょう。

8.社員の健康をサポート!「HELPO」は気軽に相談できるヘルスケアサービス

「手軽に健康経営を始めてみたい」「従業員に負担のない健康管理を支援したい」とお考えのときは、ぜひ「HELPO」を利用してみてください。HELPOは、医師・看護師・薬剤師からなる医療専門チームに気軽に相談できる「健康医療相談チャットサービス」です。

従業員1人ひとりの健康状態をチャットでヒアリングし、最適な行動を促します。企業はHELPOを導入することで、福利厚生の充実や健康経営指標の加点項目を増やすことも期待でき、企業価値向上の助力となるかもしれません。

近年、コロナ禍の影響もあって体調に敏感になる方も多いでしょう。HELPOでは24時間365日いつでも相談できるため、少しでも体調に不安がある場合は医療従事者へ的確な指示を受けられます。従業員の健康管理に悩む企業はぜひご利用ください。

9.まとめ

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健康経営は、従業員の健康増進を企業側が管理サポートすることで、業務の効率化や生産性の向上を図る取り組みです。企業にも従業員にもメリットが多く、取り組む企業も増えています。しかし、健康経営はすぐに結果が出ず、データの数値化が難しい点がデメリットです。長期的な視野を持ち、気軽に取り組めることから始めていくのがよいでしょう。

「従業員の体調不良による欠勤率が多い」「コロナ禍でリモートになり、従業員の健康状態やストレスが不安」など従業員の健康に不安のある企業は、ぜひHELPOをご利用ください。HELPOは24時間365日いつでも医療専門チームに相談できるサービスです。従業員の健康管理のための第一歩として始めてみてはいかがでしょうか。