健康優良企業の「銀の認定」満点取得を実現すべくHTが設けた6グループを解説

健康優良企業の「銀の認定」および「健康経営優良法人認定制度」の「ブライト500」を取得すべく、ヘルスケアテクノロジーズ(以下、HT)は取り組みを続けています。取得を目指される企業が増えていくなか、HTの残した記録が後に続かれるみなさんの参考になればと本連載を公開してきました。

第3弾でプロジェクトチームの業務内容について紹介しましたが、そのチームの1つである「健康施策の検討チーム」の配下にHT独自の施策を進めるための6つのグループを設立しました。第4弾である今回は、そのグループにフォーカスし、メンバー構成や苦労談などを紹介していきます。

目次

ポイント取得のために取り組みを行うことについて

「銀の認定」取得のための評価ポイント数

「銀の認定」にはチェックリストのフォーマットがあり、取得に必要な評価ポイントがフォーマットから確認できます。第3弾の記事でも紹介したとおり、認定取得に取り組む前(2021年11月5日)のスタート段階は、自己採点の結果が63点でした。チェックリストを見れば、基本的なことだけでは60点ぐらいしか獲得できないのがわかるかと思います。HTも最初はここからスタートしました。

ポイントを獲得するためにやらなければならないこと

こちらも過去記事で紹介していますが、「銀の認定」を取得するにはこのチェックリストで80点以上を取らなければなりません。食・運動・禁煙など、なにか特別なことをやっていく必要があるわけです。

しかもHTは100点満点での認定取得を目指しています。認定を受けるだけの80点でいいのであれば、やっていないことをやればいいだけだったかもしれません。100点満点をとるためには独自の施策が必要です。そこでHTは、自己採点で点数が取れていなかった項目に関して「健康施策の検討チーム」からさらに細分化して6つのグループを作り、独自の取り組みも行っていく選択をしました。

6つのグループを紹介

6つのグループを設立して、「ヘルスリテラシー向上」「メンタルケア」「食」「運動」「女性」「禁煙」の強化をHTは進めました。6グループともに、医療従事者とビジネスサイドのスタッフをバランスよく配置したメンバー構成です。ただし構成は似ていながらも、メンバーの経験値や個性の違いを活かしながら、課題解決に取り組むアプローチはグループでさまざまでした。グループごとの様子についてそれぞれの担当にインタビューした内容をまとめます。

ヘルスリテラシー向上(インタビュイー:浅野 玲)

グループメンバー紹介

メンバーは、看護師・保健師の私を含めて3人。元臨床検査技師で今はPdMとしてプロダクトを担当している1名と、カスタマーサクセスの担当者が1名です。それぞれが前向きにグループの仕事に取り組んでいたと感じています。

目指すべきゴール

ヘルスリテラシー向上チームとしての数値目標として、健康意識向上の評価は、健康経営PJもしくは従業員研修後アンケートの回答結果を参考とし、「総回答者の約40%以上が自身の健康を意識できるようになる」としました。
従業員研修後アンケートでは、「健康意識がとても高まった」「高まった」の回答が81%得られたので、セミナーを行い健康への意識づけへの効果は得られたと考えています。

施策案を考えるときの方向性や方法

ヘルスリテラシーでいえば、健康診断・日々の不調・疲れなどが身近なテーマとして考えられます。そこから自分ごと化につながるテーマを選定し、セミナーやコラムを制作しました。グループメンバー内の打ち合わせもフランクな雰囲気で、思ったことをどんどん話せるいいムードだったと思います。何を発言してもOKだったからこそ、たくさんのアイデアにつながりました。

実際に行っている施策

コラムを全社に対して配信するのにくわえ、セミナーを従業員向けと管理職向けに分けて行いました。従業員向けセミナーは、毎月行われる全社会に発表の枠を取って行ったので参加人数が多くてよかったと思います。セミナーの内容については、事前アンケート結果から従業員が興味のありそうな「疲れ」をテーマに選びました。「疲れとは?」からはじめ、放置すると大きい病気につながるリスクを説明し、「このように改善していきましょう」と伝える内容を10分ぐらいでまとめました。

セミナーでは実例を入れ、難しい内容は噛み砕いて説明したのが良かったと思います。また、問いかけ方式で反応を見ながら進めていったので、自身の健康を意識しながら聞いていただけるセミナーになったと考えます。

苦労談

「従業員研修、管理職研修共に一般的な研修ではなく、HTKKで働く方の傾向や特徴に特化したセミナーを行いたかったので、セミナー内容の検討や資料作成の大枠を決める際には、最も時間を要し苦労しました。

結果として、HTKKならではの資料を作成し研修を行うことで健康意識が高まった方が多くいらっしゃったので、時間をかけて検討を行って良かったと考えています。

全社の従業員向けのセミナーが順調に進んだのに比べ、管理職向けのセミナーは苦労しました。従業員向けより深掘りした内容を伝えたかったのですが、どこまで深掘りすれば管理職に響くのかはやってみないとわかりません。「調べればわかる」といわれるのは避けたかったんです。

あと“部下を見る”視点で管理職は生活をしていて、自分に目が向かない場面もあります。そこで管理職当人の健康を気にしているとのメッセージを伝えるのにも苦労しました。
しかも一般の従業員以上に時間を無駄にはできません。時間の調整も大変で、回数を分けて全員が聞ける工夫もしました。また全体チャットでの連絡では参加してくれない人もいると考えて、絶対参加してほしい旨を個別で伝えたものよかったと思います。

管理職、従業員とそれぞれの役割があり負担に感じる部分も異なります。どうしても従業員の健康にフォーカスしがちですが、管理職の方々が心身健康でないと、従業員の健康もサポートできません。なので、健康経営を行っていく上で、管理職、従業員それぞれに特化した健康サポートを行っていく必要があると考えています。

メンタルケア(インタビュイー:中島 利保)

グループメンバー紹介

カウンセラーの資格を持っている私と、カスタマーサクセスの担当者が1人、あとは看護師・保健師・カウンセラーの資格をもつプロジェクトリーダーの松尾さんを入れた3人で活動していました。話しやすい雰囲気で、仕事ができたと思います。

目指すべきゴール

メンタルケアグループのミッションは、まずは「銀の認定」で満点取得できるようにチェックリストの項目(上画像参照)をクリアすることです。5月には良好なメンタルを保つために重要かつ全員に関係がある「睡眠」に特化し、「1ヵ月で睡眠の質を60%改善させる」との数字目標を掲げて、セミナーやコラムの制作を進めてきました。

施策案を考えるときの方向性や方法

施策を具体化していく進め方は、まずは、メンタルヘルスに関する項目について、カウンセラーでもある私が情報を提示し、他のメンバーの反応を見たり意見をもらったりしながら進めていました。グループメンバー外への見せ方や伝え方は、グループ内で意見交換をしながら改善を重ねました。また、厚労省がメンタルヘルスに特化したサイトを公開しているので、サイト内のコンテンツを参考にし、法律で定められた内容をベースにわかりやすく説明する方向性で考えていきました。

(参考:こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

実際に行っている施策

健康経営に取り組む一環でFitbitが全社員に配布されました。「睡眠」に関するセミナーではFitbitのデータを活用しました。Fitbitを装着して眠ると、睡眠の質が可視化できるため、数字で見ることで、自分ごと化に寄与したと思います。また、計測した値を他の人と比べることで、睡眠の質について会話している様子が日常的に覗えるようにもなりました。

全社員向けに実施したセミナーでは、Fitbitで測定した私自身の睡眠スコアを例に出しながら話をしました(上画像参照)。
睡眠時間は変わらなくても、睡眠前の行動の違いが数字に出るのを実際のデータを示して伝えられ、「わかりやすかった」と褒めてもらえたのもうれしかったです。

メンタルケアにとってとても重要な「睡眠」をテーマに、セミナー、コラム配信を行いましたが、睡眠は誰しもが日常的に行っている事であり、一定の関心がある項目なので、工夫しないと当たり前な内容ばかりになるとも感じていました。良い睡眠を取るために、寝室の環境整備、枕やベットなどの寝具をどのように選ぶか、食事や入浴剤など睡眠前の行動に関することなど、誰でもすぐに実践できることを盛り込み情報発信したのも工夫点といえます。実行に移してくれるか不安でしたが、セミナーを聞いてくれた人から「実際にやっている」との声がけももらえて報われた気持ちになりました。

苦労談

「メンタルヘルスは自分に関係ない」と思っている人が大半であり、“メンタルを病む=弱い人”という方向になるのを避け、誰もが気にかけなければならないことと思ってもらえなければなりません。そのため、全員にかならず関係がある「睡眠」に絞って施策を考えていった面があります。

食(インタビュー:東 正晴)

グループメンバー紹介

メンバーは看護師の私のほかに、管理栄養士が1人、カスタマーサクセスを担当している者が1人の計3人です。管理栄養士のメンバーが、栄養の専門家としての知識にくわえ、みんなに伝えたいという気持ちもあって、前向きにいろいろな情報を提供してくれました。その情報をわかりやすさや見やすさも意識しながら3人でまとめていった感じです。役割をうまく分けて課題に取り組めたと思います。

目指すべきゴール

食グループも「銀の認定」の満点取得が大前提です(上画像参照)。あとは働き方や生活習慣がさまざまななかで、「栄養に関する社員全体の知識を向上させる」を目標にしていました。全社員向けにセミナーを行い、セミナーに関する事後のアンケートで栄養に関して「意識が高まった」との回答が7割以上あり成果を感じています。

施策案を考えるときの方向性や方法

人によって、好き/嫌い・料理をする/しない、さらに知識量がわかれます。そのような前提のもとで、多くの人が参加してプラスになる施策にする必要があり、身近で・役に立つ・自分ごと化しやすい施策にする工夫が必要だったと思います。

食グループは、健康経営に対して全体が動き出した12月直後の1月にセミナーをする予定になっており、時間がありませんでした。そのため準備が整う施策から順番にやるようにしたのは、ほかとの違いかもしれません。新しい施策をやるには検討に時間もかかりますが、今あるものを変える取り組みは比較的短期間で行えます。そこで、まず初めに社内コンビニの整理から始めました(上画像参照)。

実際に行っている施策

社内コンビニの整理は成功だったと感じています。栄養素の話や体への吸収に関してなど小難しい理論の話はあえて書かずに、いつ食べるのがいいか、いつなら食べていいのか/悪いのかを色分けして伝えるようにしたり、糖分の量を可視化するディスプレイを添えました。(下画像参照)。

飲み物の販売においては、上段の取りやすい位置に糖質が少ない飲み物を置くなど工夫しています。また糖分が可視化されたことで「(糖分が少ないものを)みんなが飲んでいるか」という雰囲気がオフィス内に伝わっている状況が作れました。その中で「ハンバーガーなどを毎日食べるような状況が続くと肩身が狭い(笑)」との声も聞かれました。

ほかにもカゴメ株式会社さんの「ベジチェック」をお借りし、普段の食事において野菜の摂取量の不足を見える化する施策も行いました。お互いの数値を比較し合う様子も見えて、コミュニケーションが活発化していたのはうれしい誤算だったといえます。

苦労談

健康的な料理を実際に作って、作り方とレシピを紹介しようという企画も挙がったんですが、コロナ禍というのと、一人暮らし、ご家族と住んでいる、そもそも料理は一切しないなど様々な社員がいるため対象が限られてしまうとの観点からボツになりました。時間やものの準備の制約もあったので、余計に難しかったと思います。

運動(インタビュイー:松尾 祐吾)

グループメンバー紹介

看護師・保健師が私を含めて2人、カスタマーサクセスを担当している者と営業を担当している者がそれぞれ1人の計4人で運動グループは活動していました。

目指すべきゴール

「銀の認定」取得が明確な目標としてあったのは運動グループも同じです(上画像参照)。毎日証拠を残しながら、何をやるか考えてきました。チェックシートにしたがってやれば成立はするんですが、運動を通して健康になるためには継続することが大事な要素のため、そもそも運動をすることにおもしろさを感じてもらいたいというのも目標にしていました。

施策案を考えるときの方向性や方法

やりながら考えていった部分が多かったと思います。出社しているメンバーが多く、細かくコミュニケーションができたグループといえそうです。対面での話し合いの他チャットツールも使いながらコミュニケーションを取っていました。

実際に行っている施策

我々がサービス提供を行っているヘルスケアアプリ「HELPO」には歩数機能が備わっていますが、これを使いウォーキング大会を開催しました。ウォーキング大会は、おもしろいイベントになったと満足しています。社員の7割ぐらいが参加してくれました。個人でエントリーを受け付けたあと、男女や部署のバランスを調整しながらチームをランダムで作ったので、普段あまり会話をする機会がないメンバー同士のコミュニケーションの機会が創出できたのもよかったと思っています。
また、大会を盛り上げるために賞品も用意したんです。アンケートでどんな賞品が良いかをヒアリングし、最終的には、チーム賞として焼き肉ディナー券、個人賞に自分でデザインできるスニーカーを選びました。あと最下位のチーム用に用意した昆虫食もいい刺激になったと思います。

そのほかバランスボール・ステッパー・サンドバッグ・自転車型のトレーニング機器を購入しオフィス内に設置しました。自転車型のトレーニング機器の近くにホワイトボードを置いとき、月単位で距離で競争するなどの取り組みを行いました。今では、オンラインミーティングをしながら漕いでいる人もいるぐらいです。

苦労談

盛り上がった反面、ウォーキング大会は苦労も多かったです。リクエストは多くあるんですが、手伝ってはくれないんですよ。リクエストは多くあったが回避したアイデアもありました。
賞品をどのように出すかも頭をひねりました。換金性の高いものは給料扱いになったりと法律周りもクリアし、モチベーションアップにつながる賞品を考えるのは大変でした。

また2週間程度の期間で行ったのですが、自分のチームの状況がわかると、賞品圏外になったチームは途中でやる気がなくなってしまいます。途中経過をすべて出すのも盛り下がる原因だと考えて前日の結果だけ出す工夫をしたり、チーム戦だけでなく個人戦や最下位争いも開催したりして最後までやり切れるようにしました。

女性(インタビュイー:川口 律子)

グループメンバー紹介

看護師の私・カスタマーサクセスを担当している者が1人・営業を担当している者が1人・管理栄養士1人の女性4人に、プロジェクトリーダーで男性の松尾さんをくわえたグループです。“女性”グループではあるんですが、男性にもメッセージを送りたかったので松尾さんに入ってもらいました。“男性のための、男性による、女性についてのセミナー”をしたかったんです。

目指すべきゴール

参加率・関心度・満足度を指標にしていて、いずれも、8割以上の良い反応があることを目標としていました。施策実施後のアンケートでは、「興味が上がった」との回答が男性の8割以上から得られたのでよかったです。

施策案を考えるときの方向性や方法

「ほかがやっていない取り組みをやろう」との意識を持っていました。また女性向けだけの施策をして、男女で対立してしまうのも注意していた点です。

毎年3月8日は、国際女性デーと定められているので、それにあわせて、3月を女性月間として、1ヵ月かけて従業員の知識を上げていく施策に取り組みました。経験値が違うそれぞれの目線を活かし、メンバーでアイデアを5個ずつExcelに出し合うところから始めました。あとは10社ぐらい他社さんの取り組みを調査して、メンバーがまとめてくれたので、そこからほかがやっていない新しい施策をメンバーで考えていった感じです。

進捗管理はExcelでシートを作って行い、teamsのチャットでコミュニケーションを取って進めていきました。シートには、毎週の会議のあとに、次までの課題と担当を決めて記入するようにしていきました。みんな忙しいので、オープンクエスチョンよりは選択肢を提示する形で、時間をかけないコミュニケーションができたのもよかったと思います。

実際に行っている施策

女性月間と定めた3月に、コラムやセミナーとアンケートを行いました。反応がよかったのは、フェムテック商品についてのコラム配信に合わせて実物も用意した点です。「触ったことがない」「買うのに勇気がいった」との不安を解消できたと思います。

また松尾さんに男性向けの施策も実施してもらいました。女性従業員向けにどのような言葉をかければいいのかを悩んでいる男性社員もいて、“教える”よりはディスカッションに近い形式で、女性に対する理解の土壌が作れたと感じています。このディスカッションは、会議室の閉ざされた中で行い、講師も含めてすべて男性という環境で行ったことで、活発な発言が行われたと思っています。

苦労談

セミナーやコラムのテーマ設定は苦労しました。たとえば「PMS(月経前症候群)」や「女性の健康」をテーマに設定すると、女性しか興味を持ってくれません。男性向けをどのようにするか・どのようにすれば男性が見てくれるか。アンケートを活用しながら興味関心の割合が高いものをテーマに選定する工夫を行いました。

くわえて男性が隣にいると聞きたくない・恥ずかしい・集中できないという声が、女性から挙がってくるのも懸念していました。そもそも伝えたいメッセージが違いすぎるんです。男女別で施策を行ったんですが、結果的にうまくいったと考えています。

医療従事者の私にとっては、いままでの職場では、男性であっても医療従事者がほとんどのため基礎的な知識を持ち合わせているのが当たり前でした、そのため、女性特有の問題についてわかってもらえないという経験が少なかったんです。しかし、一般の企業であるHTには、非医療従事者が多く、女性についての医療的な知識が無いのが普通です。男女で一緒の説明をしても内容が伝わるほど会社が成熟していないとも感じました。その点はほかグループとの違いかもしれません。

禁煙(インタビュイー:浅野 玲)

グループメンバー紹介

禁煙グループは、医療従事者のノンスモーカーが2人、普段は事業企画を担当しているビジネスサイドの喫煙者1人がメンバーです。喫煙者のメンバーは、過去に禁煙にチャレンジしたんですが止められなかった経験の持ち主です。

目指すべきゴール

「銀の認定」をとるために禁煙グループも活動していました(上画像参照)。ただしオフィスが全館禁煙なので、受動喫煙については、ポスターの掲示だけでよかったのでラッキーでした。

施策案を考えるときの方向性や方法

喫煙者に聞いてもらわないと意味がありません。セミナーやコラムを考えるときは、喫煙者がどういった内容であれば聞いてくれるかを喫煙者のメンバーに聞いて、当事者の意見や目線を大事にしました。

実際に行っている施策

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2022年1月:喫煙が健康の及ぼす影響(がん)
2022年2月:喫煙が健康の影響・呼吸器と血管
2022年3月:受動喫煙による健康への影響
2022年4月:たばこの依存症・ニコチン依存
2022年5月:禁煙の効果
2022年6月:タバコとSDGs

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上記のテーマでコラムを6本とセミナーを1回行いました。「タバコに関連する知識は増えた」「”いまさら”と開き直っていたが、“今からでも止めればいい”という意識が芽生えた」との声が返ってきたりしています。

あとは肺活量測定をイベント的にやってみました。喫煙者の方が高かったらどうしようかと思っていたんですが、非喫煙者に比べて喫煙者の肺活量がしっかり低かったです。これにより喫煙者は体への影響が見える化し、禁煙への第一歩になったかもしれません。

苦労談

「禁煙が一番難しいテーマだ」と松尾さんが言っていて、私も痛感しています。これだけ禁煙が叫ばれる世の中で吸い続けている人を相手にしなければなりません。そもそもタバコを止める気がないんです。「病気のリスクはわかっています」「お金かかるのも許容しています」などと筋金入りの喫煙者ばかり。「上層部も吸っているから」と聞いてくれない人や、「仲間が吸っていると吸いたくなる」と答えた人もいます。インセンティブも考えたんですが、もらえる権利が喫煙者だけに発生するので非喫煙者からの苦情につながりかねません。

ほかにも「物理的に吸えなくしないと止められない」との意見も出たんですが、嗜好品で個人の自由だからそこまで強制するのは難しい。やはり会社の成熟度を上げていくしかありません。会社として課題感はもっているが個々人での問題意識が低いのは、HTだけではないのかなと思います。

まとめ

医療従事者とビジネスサイドのスタッフでグループを作り一緒に課題解決に取り組めるのは、HTならではの強みといえます。認定取得を今後目指されるみなさんが、HTと同じようなメンバー構成をするのは難しいかもしれません。しかし今回紹介したような具体的な施策の内容や苦労談はみなさんの参考になったのではないでしょうか。

次回の記事では、アンケートの結果を紹介しながら従業員の声にフォーカスしたり、声を聞いた上でのプロジェクト運営の苦労談などを紹介したりできればと考えています。次回の記事もご期待ください。