おうちに居るのにたまる疲れ ~それはリモート疲れのサインかも!?~

近年、労働環境の見直し「働き方改革」が取りざたされていましたが、その追い風となったのが新型コロナウイルス感染症の流行といっても過言ではないでしょう。都内のオフィスビルが閑散とし、一気にリモートワークの環境が普及しました。一方でリモートワークによる弊害も明らかになってきており、そのひとつがリモート疲れです。

コロナ禍でリモート疲れが増えているのか?

月のほとんどを、オフィスに出社せずにリモートワークで仕事をこなすという、コロナ禍以前には見られなかった環境で生活することに知らず知らずのうちにストレスがかかっています。特に、思うように外出ができない状況が重なり、リモートワークを行う場所も自宅がほとんどになるというのも、実はストレスになる原因のひとつかもしれません。

その1:リモート会議あるある

ネットのご機嫌に左右されがち

通信環境が整わないままリモートワークを余儀なくされるケースもあるでしょう。ネット環境が整っていないと、作業効率も落ちてしまいますし、特に会議の際には声がズレてしまったり映像がみだれてしまったりすることで起こる心理的な負担は計り知れないものがあります。

会議中のマルチタスクができてしまう環境

オフィスの会議室で打ち合わせをする際には、周りの目もあるため会議とは関係のない他の作業は抑えていましたが、リモートワークでは会議に参加しながら他の作業もできてしまいます。このような、マルチタスクで作業をしていく環境が続くと、「こころ」と「カラダ」への負担の大きくなっていってしまいます。

部屋などプライベートなものが入り込む

リモート会議の際に自室内が映り込んでしまうことも少なくありません。また、自分以外の家人が在宅していれば、会議中にプライベートな生活音が入ってしまうことがあります。一人ぐらしの場合であっても、自分の発言中に宅配業者が訪問しインターホンが鳴るところを聞いたことがある経験をお持ちの方も大勢いると思います。オフィス勤務が当たり前の時にはなかった、仕事中にプライベートが入り込むことがストレスにつながっています。

その2:リモート作業あるある

「疲労」のイメージ_目頭を押さえる女性

目の疲れ

オフィスへの出社時には、対面で同僚と話す際など、パソコンの前から離れる時間もありますが、リモートワークでは、オンライン通話も画面を通して行うことになり、一日中画面を見続ける必要がでてくることもあります。ブルーライトは目の疲れに直結し、肩こりや頭痛など画面を見続けることによって引き起こされるVDT症候群などの原因にもなります。

※VDT症候群:パソコンなどのディスプレイ(VDT:ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)を使った長時間の作業により引き起こされる目、カラダ、こころに影響がでる。

耳の疲れ

会議が終わったと思ったら上司と打ち合わせ、会議を挟んで取引先とミーティングなど一日中イヤホンが必要になることもあるかもしれません。イヤホンが耳の形に合っていないことや、イヤホンから音を耳に叩き込んでいる状況が続くと耳が疲れてしまい、耳の疲れがその他の器官にも影響を及ぼすことになります。

運動不足になりがち

駅まで歩くことや、階段の上り下りなど、通勤は自分で思っているよりも体を動かす機会になっていました。リモートワークが続くことで、普段から運動する機会が無い方にとっては、運動不足になりがちです。また、パソコンの前で同じ姿勢で作業を続けることで、肩こり、腰痛などにもつながります。

その3:コミュニケーションが取りづらい!

同僚と交流できない孤独感

オフィスなど物理的に同じ空間で仕事をしていれば、ちょっとした機会に立ち話やおしゃべりをすることもできますが、リモートワークではパソコンの前で黙々と作業に没頭することで、ちょっとした雑談による息抜きができなく、孤独を感じてしまう人も多いようです。

仕事が上手くいっているのか不安

オフィスでは、すぐそばにいる上司や同僚に仕事の途中経過について気軽に話しかけ、確認をしていたのに、リモートワークでは相手の状況が見えないため、わざわざコミュニケーションツールを使って声をかけるのも気が引けてしまい、自分の作業内容が正しいのかどうか、見通しがはっきりしないと不安になるものです。コミュニケーションをとりづらいことから不安を抱えながら、自身で解決しようとし、負荷が高くなってしまうケースもあります。

リモートワークは心理的・肉体的負担がかかりやすい

上記のように、大きな環境の変化であったリモートワークへの移行は、良い面も多くありますが、知らず知らずのうちにストレスになるなど悪い面も見えてきました。ストレスの感じやすさには、個人差がありますが、心理的にも肉体的にもオフィスで仕事をしていた時にはなかったようなストレスがあることはまちがいありません。

身につけよう!ストレスマネジメント!

「成功」のイメージ_笑顔でガッツポーズをする女性

ストレスから、こころとカラダを守るためにかかせないのが、セルフケアをすることです。ストレスマネジメントで、日々のストレスから自分を守りましょう。

ストレスマネジメントスキルとは?

ストレスマネジメントスキルとは、ストレスをうまくコントロールする方法のこと。ストレスコーピングとよばれることもあり、ストレスの元となっている事柄に、問題焦点型、情動焦点型の大きく2つの方法で対処していきます。ストレスマネジメントを身につけることで、ストレスと上手につきあっていきましょう。

問題焦点型

ストレスの原因を解決することに焦点をあてる方法です。ストレスの元となるものを見極め、それ自体を取り除いて、ストレスをなくしていきます。原因への対処法としては、「原因から距離を置く」「相談をする」「捉え方を変える」などになります。

「原因から距離を置く」方法の具体例としては、現在の仕事量を減らすために、やり方を見直して業務量の軽減を図るなどになります。「相談をする」については、家族や友人、同僚など、ご自身の現状の問題点について話をし、相談してみる方法です。「捉え方を変える」とは、今までの業務とは異なる苦手な分野に挑戦しなければならなくなった場合に、スキルアップのためなど、考え方を修正して対処する方法になります。

情動焦点型

ストレスの対象そのものではなく、ストレスに対する感情を和らげることを重視する対処法です。ストレスの原因を取り除くことが難しい場合には、自分自身の感情を間接的にコントロールしてストレスを緩和していくのが有効です。

例えば、人間関係で悩んでいる場合には、世の中には根本的に気が合わない人が、少数だが存在するものだと考え、たまたまそのような人物と出会ってしまったと自分の気持ちを和らげるなどになります。また、ストレス解消法として人それぞれのやり方「食べ歩き」「運動」「ヨガ」「睡眠」などがありますが、これも情動焦点型の対処方法の一つになります。

特に睡眠は頭と体を休め、ストレスを和らげるために大切な行為です。忙しいと睡眠の時間を削りがちですがストレスに強いカラダを作るためにも睡眠を確保するようにしましょう。

長引かせないために早めに相談することが大事

HELPOのオンライン健康医療相談※1では、「なんとなく不調だけど病院に行くほどか迷っている」というお悩みや、「こんなこと病院で相談するのは気が引ける」というお困りごとでも気軽に相談が可能であり、早期に不安を解消できます。心療内科、精神科を受診するのはちょっと…という方もぜひHELPOにご相談ください。HELPOでは、24時間365日ご相談を承っておりますので、受診前のお気持ちの整理のため、受診のタイミングについて、受診までの間の具体的な対処法なども相談可能です。

※1 回答は厚生労働省の定める「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の遠隔健康医療相談(医師以外)の範囲内で実施いたします。