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「くるみん認定」の6つのメリット!認定基準や申請方法・取り組み事例まとめ
従業員へ働きやすい環境を提供したいと考えた際に、おすすめなのが「くるみん認定」の取得です。くるみん認定は、仕事と子育てを両立する従業員が、安心して働けるよう支援する企業を認定するものです。
近年はくるみん認定を取得する企業が増えていますが、くるみん認定を取得するメリットについて、まだ知らない方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、くるみん認定の6つのメリットを解説します。認定のポイントや、申請する際の流れについてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「くるみん認定」とは?

くるみん認定とは、従業員の仕事と子育ての両立を支援する「子育てサポート企業」を認定する制度です。次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づいており、厚生労働大臣が認定しています。
子育てサポート企業と認められ、「くるみん認定」を取得するためには、事前の申請が必要です。申請にあたって、「行動計画を策定すること」「行動計画を実施すること」「計画に定めた目標を達成すること」など、複数の条件を満たす必要があります。
「くるみん認定」で与えられる3つのマーク

仕事と子育ての両立を支援している優良企業として「くるみん認定」を受けた場合、くるみんマークが与えられます。くるみんマークは、企業の広告や商品、求人や会社案内などに利用可能です。
子育てサポート企業として認定された証が「くるみんマーク」ですから、マークを活用することで、「子どもがいても働きやすい会社」という企業イメージに繋がります。くるみんマークは3種類ありますので、まずはそれぞれのマークについて見ていきましょう。
1. くるみんマーク
くるみんマークは名前のとおり、「くるみん認定」を取得した企業のみ、使用を許可されているマークです。くるみんマークを活用することで、次世代育成支援対策推進法に基づき、厚生労働大臣の認定を受けた「優良企業」であるとアピールできます。
くるみんマークをもらうためには、行動計画の策定や行動計画の目標達成など、10項目の基準を満たさなければなりません。その中には、法定時間外や法定休日労働時間の定め、育児休業等の休暇制度の利用、年次有給休暇の取得促進、といった内容も含まれています。くるみんマークをもらうためには、従業員が仕事をしやすい環境を提供する必要があるのです。
2. プラチナくるみんマーク
くるみんマークと比較して、より高い基準を満たし「特に優良」だと認定された企業のみ使用できるのが、「プラチナくるみんマーク」です。プラチナくるみんマークは、特例認定基準を満たす企業へ与えられます。
プラチナくるみんマークをもらうためには、くるみん認定を取得したうえで高水準の行動計画を策定し、実施しなければなりません。
くるみん認定の認証基準が10項目であったのに対し、プラチナくるみん認定の認証基準は12項目あります。プラチナくるみん認定を取得するためには、12項目をすべて満たさなければなりません。特例認定基準を満たしてから、都道府県労働局に申請すると、プラチナくるみんマークの使用が許可されます。
3. トライくるみんマーク
令和4年4月1日に、「くるみん認定」と「プラチナくるみん認定」の2つの認証基準が改正されました。それに伴い、新しい認定制度として、「トライくるみん認定」が創設されています。
トライくるみんマークは、トライくるみん認定を受けるための基準となる10項目を満たした企業が申請を行い、トライくるみん企業として認められた際に使用できるマークです。トライくるみん認定を受けるための基準には、育児休業等の取得率が一定以上であることや、法定時間外労働が制限時間内であることなどが含まれます。
くるみん認定制度が開始された時期と2つの背景とは

どのような目的があり、くるみん認定制度が開始されたのか、気になる方もいるのではないでしょうか。ここからは、くるみん認定制度が開始された時期と、その背景にある法律をご紹介します。近年、くるみん認定制度が注目を集めている理由についても見ていきましょう。
次世代育成支援対策推進法の制定
平成15年7月16日に「次世代育成支援対策推進法」が設立されました。次世代育成支援対策推進法とは、これからの社会を担う子どもたちが健やかに育つよう、「国」「地方公共団体」「企業」「国民」が行うべき措置を定めたものです。次世代育成支援対策推進法は、平成17年4月1日より施行されています。
次世代育成支援対策推進法の施行により、企業は従業員が仕事と子育てを両立できるよう「一般事業主行動計画」を策定することが求められました。そして、行動計画で定めた目標を達成し、一定の条件を満たした会社に「くるみん認定」を与えたのです。
当初、次世代育成支援対策推進法は、平成27年3月までの時限立法でした。ですが、平成27年4月に改正され、現在は令和7年3月31日まで延長されています。
育児・介護休業法の改正
くるみん認定制度は、「育児・介護休業法」が改正されたことにより、注目度を高めているといわれています。育児・介護休業法とは、育児や介護を必要とする労働者が、仕事との両立をはかれるよう支援する法律です。
改正により、新たに「育児休業を申請しやすくするための雇用環境整備」「妊娠・出産する予定を申し出た従業員への個別周知・意向確認」が義務付けられています。「出生時育児休業制度」が創設されたことにより、育児休業を分割で取得したり、夫婦間で交代取得したりできるなりました。
令和4年4月1日からは、男性の育児休業取得促進を目的とする「柔軟な育児休業の枠組みの創設」などが段階的に施行されます。こうした背景により、子育てをしながら働きやすい企業が注目されているのです。
「くるみん認定」で得られる6つのメリット

くるみん認定企業になると、多くのメリットを得られます。厚生労働大臣の認定を受けていることが企業の印象をよくしてくれたり、くるみん認定を申請するための職場環境の構築により、社員の満足度がアップしたりすることもメリットのひとつでしょう。ここでは、くるみん認定で得られる6つのメリットについてご紹介します。
1. 自社ブランドのイメージアップ
くるみん認定を取得していることは、「子どものいる従業員が働きやすい企業」であるというアピールになります。くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークは、自社商品や広告に利用できますから、活用によりブランドイメージを高められるのがメリットです。
2. 働きやすい職場環境の構築
くるみん企業として認定されるためには、一定の要件を満たす必要があります。その中には、「年次有給休暇の取得を促進する」「休日出勤や過度な残業を抑制する」などの基準が設けられています。
これらの基準をクリアすることは、子どもを持つ従業員だけでなく、すべての従業員の働きやすさにつながるでしょう。くるみん認定企業を目指すことが、働きやすい職場環境の構築につながり、結果として社員満足度を高めてくれるのです。
3. 優秀な人材の採用
くるみん認定企業になると、「全国版」「都道府県版」という形で、厚生労働省のホームページに企業名が公表されます。厚生労働大臣の認定を受けている企業に対し、安心感を持つ方も多いでしょう。たくさんの人に企業の名前を知ってもらうことは、採用活動にも役立ちます。信頼感を得ることが、優秀な人材の確保につながるケースもあるのです。
4. 社員の定着率アップ
くるみん認定企業になるためには、従業員が働きやすい環境を構築する必要があります。年齢や性別を問わず、すべての従業員に対して働きやすさを提供することで、従業員の士気が高まるでしょう。優秀な人材の流失を防げると、企業の利益アップが期待できます。
5. 公共調達での加点評価
くるみん認定やプラチナくるみん認定を取得している企業は、公共調達で加点評価される仕組みとなっています。政府が「総合評価落札方式」や「企画競争による調達」を行う場合、くるみん認定やプラチナくるみん認定を取得している企業は、案件を勝ち取りやすくなるのです。
6. 助成金の支給
くるみん認定を受けている中小企業は、50万円を上限に、助成金を受け取れる場合があります。中小企業が「中小企業子ども・子育て支援環境整備事業」を実施する際、実施に要する経費を対象に助成金が交付されます。対象となる経費には「職員給与」「 各種手当」「社会保険料事業主負担金」などが挙げられます。
「くるみん認定」の認証条件10項目

くるみん認定やトライくるみん認定を取得するためには、10項目ある認証基準をすべて満たさなければなりません。また、プラチナくるみん認定を申請する場合には、認証基準が2つ増え、12の項目を満たす必要があります。ここからは、くるみん認定を申請する際の認証項目について見ていきましょう。
条件1. 雇用環境の整備における行動計画を策定する
子育て中の従業員が安心して仕事に取り組むためは、環境整備が必要です。環境整備をするにあたって、まずは「行動計画策定指針」に基づき、行動計画を策定しなければなりません。
「行動計画策定指針」とは、次世代育成支援対策を実施する際の基本となる事項を指します。次世代育成支援対策の内容、その他の重要事項に関して定めたものです。行動計画を策定する際には、行動計画策定指針の項目を盛り込むことが条件とされています。
条件2. 行動計画の期間が2年以上5年以下である
策定する行動計画は、2年以上5年以下に設定します。 次世代育成支援対策推進法は時限立法です。
くるみん認定を取得するためには、期限までに計画期間を終了させ、都道府県労働局への申請を行っておく必要があります。くるみん認定の取得を考えている場合には、余裕を持って計画を立てておくことが大切です。
条件3. 行動計画を実施して目標を達成している
審査を通過するためには、策定した行動計画の目標が達成されていることが条件です。目標を達成した場合には、それを証明できる書類を提出しましょう。提出先は、「都道府県労働局」です。策定した目標によって、必要書類は異なります。一例としては、以下のような書類を証明として提出できます。
- 就業規則を変更したことが分かるもの
- 導入した制度を社内に通知した際の文書のコピー
- 育児休業を取得した従業員の氏名が分かる書類
- 従業員が育児休業を取得した期間が分かる書類
条件4. 従業員への適切な周知を行っている
行動計画を策定した後は、策定日から3ヵ月を目安として、従業員へその旨を周知します。周知の方法としては、「事業所の掲示板」「資料の配付」「電子メールでの共有」「社内ネットワークへの掲載」などがあります。
一般への公表に関しては、厚生労働省運営の「両立支援のひろば」や、「広報誌」「日刊紙」「企業のホームページ」などが挙げられるでしょう。常時雇用の従業員が101人以上いる企業では、一般への公表が義務とされています。
条件5. 男性従業員の「育児休業等取得者」が1名以上いる
「男性従業員の育児休業などの取得率が10%以上」または「育児休業などの取得と企業独自の育児休暇制度を利用した従業員が20%以上」という基準を満たす必要があります。後者の場合、育児休業などを取得した男性従業員が1名以上いなければなりません。また、その従業員は、くるみん認定の申請時に在籍していることが条件です。
育児休業を取得する男性従業員がいなかった場合でも、「子どもの看病休暇」「労働時間の短縮」などを講じていれば、基準をクリアしたと判断されます。一方で、トライくるみんの場合には、取得率の割合が異なります。「育児休業などの取得率が7%以上」または「育児休業と企業独自の育児休暇制度を利用した従業員が15%以上」であれば、条件達成となります。
条件6. 女性従業員の「育児休業等取得率」が75%以上である
計画期間中に、「育児休業などを取得した女性従業員の割合が75%以上」であることも認定の要件です。ただし、期間中の女性の育児休業等取得率が75%未満であっても、計画期間と過去3年間(最長)を合算して75%以上であれば、条件達成となります。
女性従業員に含まれるのは、正社員だけではありません。契約社員、派遣社員、パートタイム労働者も対象です。
条件7. 子育て従業員へ「短縮措置・始業時刻変更等」を実施している
従業員の子どもが3歳から小学校就学前の場合には、その従業員に対していくつかの措置をとることが求められます。育児休業制度を設けたり、所定外労働の制限を設けたりなど、仕事と育児を両立できる環境の構築が必要です。
また、「所定労働時間の短縮」や「始業時刻変更等」なども、認証のための条件として挙げられます。
条件8. 計画期間終了年度における条件を満たしている
法定時間外・法定休日労働時間の平均が、基準を下回っていることが申請の条件となります。具体的には、フルタイムの労働者等であれば、法定時間外・法定休日労働時間の平均は各月45時間未満であることが条件のひとつです。
また、月平均の法定時間外労働が60時間以上になる労働者がいないことも、申請をするうえでの条件に含まれます。
条件9. 労働環境の整備を実施している
従業員が働きやすい環境作りのために、何らかの措置を講じていることも認定の条件です。
具体的には、「所定外労働を削減するために対策をしているか」「年次有給休暇を取得してもらうための取り組みはあるか」「在宅勤務やテレワークなど、従業員の働き方を見直す措置をとっているか」などが条件として挙げられます。いずれも、目標を設定し、きちんと実施していなければなりません。
条件10. 法令に違反していない
法および法に基づく命令や、その他の関係法令に違反するような重大な事実がないことも条件のひとつです。「次世代法」や「労働基準法」または、「男女雇用機会均等法」や「育児・介護休業法」などに違反する事実があれば、申請はできません。
「くるみん認定」の申請方法|7ステップ
くるみん認定の申請を行うためには、認証基準を満たしているかどうかが重要なポイントになります。また、申請には手順がありますので、流れを把握しておく必要もあるでしょう。具体的には、以下の7つのステップに分けられます。
- ステップ1. 企業の現状を把握する
- ステップ2. 行動計画を策定する
- ステップ3. 行動計画を従業員に周知する
- ステップ4. 「都道府県労働局」へ行動計画を提出する
- ステップ5. 目標達成へ向けて計画を実施する
- ステップ6. 計画期間後に「都道府県労働局」へ認定を申請する
- ステップ7. くるみん認定され、くるみんマークを獲得する
「くるみん認定」企業の取り組み事例

ここからは、くるみん認定を取得している企業の取り組み事例をご紹介します。くるみん認定企業が、実際にどのような取り組みを行っているのかについて見ていきましょう。くるみん認定の申請を検討している方は、ここでご紹介する取り組み事例を参考にしてみてください。
フレキシブル・ワークの実現
子どもを持つ従業員が「自分に合った働き方」を選べるよう、働きやすさにつながるさまざまな制度を設けている企業もあります。自分自身で1日の勤務時間を選択できる制度や、子育てに合わせて出勤や退勤時間を設定できる制度などもそのひとつです。
また最近は、フレックス勤務制度を導入する企業もあります。オフィスに通勤することなく働けるテレワークの導入も、柔軟な働き方を提供する取り組みです。
産休・育休・復帰プログラムを導入
従業員がスムーズに復職できるためのプログラムとして、産休前にガイダンスを受けられる企業もあります。また、産休から復帰する際に、保育園に入れないケースもあるでしょう。そういった場合に、ベビーシッターをお得に利用できる制度を導入している企業もあります。
妊娠や出産における健康管理をすべての従業員に周知したり、出産や育児に関するリーフレットを作って従業員に配布したりするなど、育児への理解を深める取り組みを行うケースもあるのです。
健康管理のサポート・相談窓口の設置
妊娠中や出産後の健康管理について、相談窓口を設置している企業もあります。相談体制を整備しておくことで、従業員が安心して過ごせるよう取り組んでいるのでしょう。
近年は、従業員やそのご家族の一人一人の身体の状況をチャットを通じてヒアリングし、突発的な体調不良の相談ができるサービスもあります。そのようなサービスを導入することで、従業員が安心して働ける環境を提供できるでしょう。
「くるみん認定」企業は毎年増加!新たな認定制度【プラス】も開始
仕事と子育ての両立支援を行う優良企業として認定される「くるみん認定」企業は、近年、増加しています。平成20年3月末の時点では、くるみん認定企業は全国で428社でした。平成21年には652社に増え、平成22年には845社がくるみん認定を取得しています。
令和2年の3月末時点では、3312社まで増加しました。令和4年4月からは、不妊治療と仕事との両立企業に向けて「くるみんプラス」という制度も開始されています。
「くるみん認定」を目指すなら|HELPO導入で職場環境の整備を

くるみん認定は、一定基準を満たす企業のみが認証を受けられる制度です。一度認定されればそれで終わりというわけではなく、基準を満たさない状況になった場合には、くるみん認定が取り消されてしまいます。くるみん認定の取得企業でありつづける場合には、認定後も労働環境の維持改善に努める必要があるのです。
そこでおすすめなのが、ヘルスケアアプリ「HELPO」です。HELPOは、福利厚生の充実や健康経営指標の加点項目を増やす効果が見込めるサービスです。
チャットツールで心と体の健康をサポート
心身の不調を感じたとき、スマホで医療専門チームに相談できるサービスが「HELPO」です。医療専⾨チームは24時間365日体制で対応していますので、深夜や早朝に不調を感じた場合にも、すぐに医療専門チームへ相談できます。
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子育ての不安や疑問を医療専門家に相談!
HELPOは24時間365日、医療専門家に健康不安を相談できます。相談回数に制限はありませんので、何度でも利用可能です。妊娠中や出産後はもちろん、育児中は何かと悩んだり、不安になったりする場面が多いでしょう。そうした不安をすぐに解消できるのがHELPOを導入するメリットです。
まとめ

「くるみん認定」とは、次世代育成支援対策推進法に基づき、厚生労働大臣の認定を受けた企業が取得できるものです。認定を受けると、企業の商品や広告、パンフレットやホームページにマークを記載できます。くるみんマークは「優良企業」のアピールになりますから、マークを記載することが、企業のイメージアップにつながるでしょう。
「くるみん認定」を取得するためには、すべての従業員が働きやすい環境を構築する必要があります。ヘルスケアアプリのHELPOは、福利厚生の充実に活用できます。働きやすい企業を目指すのであれば、ぜひ導入をご検討ください。


