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企業で活躍する産業保健師とは?役割・産業医との違い・導入のメリットも解説
産業保健師とは、企業で働く保健師のことです。従業員の健康を管理し、健康経営に貢献する重要な専門職ですが、導入されていない企業も多いため、実態がわからないという人もいるかもしれません。
産業保健師について理解すれば、健康経営の推進に役立てることができるでしょう。そこでこの記事では、産業保健師の役割・仕事内容、産業医との違い、導入のメリット、選ぶときのポイントなどについて解説します。
目次
産業保健師とは?

そもそも産業保健師とは、どのようなことをする人なのでしょうか。また、なぜ企業に配置されるのでしょうか。
産業保健師とは何か、期待される役割、多岐にわたる仕事内容について説明します。
産業保健師とは
保健師とは、保健、医療、福祉、介護などの分野において、病気やけがを予防するために保健指導に従事する専門家です。保健師には、以下の4種類があります。
保健所などで公務員として勤務する「行政保健師」、学校に勤める「学校保健師」、病院やクリニックで働く「病院保健師」、そして民間企業で従業員の健康管理に努める「産業保健師」です。
産業保健師は、産業医、人事担当者と連携して、企業で働く従業員の心身の疾病予防、健康管理を担います。働き方改革の推進により需要が高まってきている職種です。
産業保健師の役割
産業保健師は、人事担当者とチームとなり、従業員の健康管理の活動を行い、心身の悩みを抱える人からの相談に対応します。
心身の病気の発生前に、予兆を把握し予防することによって、従業員が病気にかからないようにすることが大きな役割です。その結果、退職者や休職者が減り、健康に働ける従業員が増え、経営の発展に結びつくことが企業からは期待されています。
産業保健師の仕事内容
産業保健師の仕事内容は、以下の通りです。
- 職場における病気やケガの応急処置
- 健康診断の実施・データの整理や分析・保健指導
健康診断の企画から関わり、面談や保健指導により従業員の健康改善につなげます。 - 個別面談
従業員の不安や悩みを聞き、生活状況・受診状況を確認します。 - メンタルヘルスケア対策
メンタルヘルスについての面談に加え、研修の実施や、ストレスチェックの実施・分析も行います。 - 過重労働対策
労働環境を把握し、生活上のアドバイスを行ったり、職場の改善策を講じたりします。 - 衛生委員会・安全衛生委員会への出席
定期的に従業員の意見を聞き、労働災害防止のための必要な対策を考えます。 - 職場巡回の同行
産業医、人事担当者と共に職場を巡回し、安全衛生上の問題点がないかをチェックし、アドバイスを行います。 - 休職者の復職支援
休職中は生活状況についてのヒアリングを行い、復職後はサポートを行います。
産業保健師と産業医では何が違うのか

企業には、産業保健師の他に、産業医という医療の専門家が置かれています。2つの専門家は何が違うのでしょうか。
それぞれに必要な資格の違い、果たすべき役割の違い、企業の設置義務の違いについて説明します。
必要な資格の違い
産業保健師と産業医に必要な資格は異なります。産業保健師になるためには、国家試験を受けて看護師免許を取得し、さらに国家試験を受けて保健師免許も取得しなければなりません。
産業医は、国家試験を受けて医師免許を取得した上で、産業医認定証も取得していなければなりません。認定を受けるためには、厚生労働大臣が定める産業医研修を修了するなどの条件を満たしていなければなりません。
役割の違い
産業医は、健康診断の結果に異常が見つかった場合や、ストレスチェックにおいて「高ストレス者」と判定された従業員が面談を希望した場合などに、指導・助言などを行います。
一方で、産業医との面談にまで至らないような、軽い心身の不調を抱えた従業員への対応ができるのが産業保健師です。健康相談窓口として、従業員の身近な存在であるため、健康問題の早期発見が可能になります。産業医よりも従業員との距離が近いと言えるでしょう。
設置義務の違い
従業員数が50人以上の事業所においては、産業医を1名以上選任することが法律によって義務付けられています。さらに、従業員数が3001 人以上の事業場になると、産業医を2名以上選任する必要があります。
一方、産業保健師の選任は義務付けられていません。また、産業医の法的義務である衛生委員会・安全衛生委員会への出席や職場巡回についても任意とされています。
健康経営における産業保健師とは

企業の業績向上のために健康経営の推進が注目されていますが、産業保健師はどのように関わることができるのでしょうか。
健康経営とは何かについて説明した上で、健康経営における産業保健師の役割について解説します。
健康経営とは
健康経営とは、従業員の健康管理を経営の視点から考え、戦略的に実践することです。従業員の健康に配慮することによって、業績や企業イメージの向上につなげようとするという考え方です。
具体的には、健康診断の受診率向上、運動や食事に対する補助、ワークライフバランスの推進、健康セミナーの開催、メンタルヘルス相談窓口の設置などが健康経営の実践内容となります。
企業は、従業員の健康に対する意識のばらつき、健康管理業務を担当する人材不足、疾病の早期発見の難しさなどの健康に関する課題を抱えています。これらの課題を乗り越えて、健康経営を推進させなければなりません。
産業保健師とは産業保健チームの一員
健康経営を推進させるためには、企業の産業保健活動を強化しなければなりません。そのためには、業務負担が増えてきている産業医や人事担当者だけでは、難しい状況になってきています。
産業医・人事担当者・産業保健師などの専門職が連携し、「産業保健チーム」となって一体的に従業員の健康管理に取り組む必要があります。
産業保健師は、産業医が行ってきた業務を分担することができます。また、従業員・企業・産業医をつなぐコーディネーターとして活動することも期待されているのです。
企業が産業保健師を導入するメリット

企業が産業保健師を設置することは義務付けられていませんが、導入することによって以下のようなメリットが得られます。
- きめ細かな健康管理体制の構築
- 職場の衛生環境づくり
- 企業と産業医の橋渡し
- 産業医・人事担当者の負担軽減
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
きめ細かな健康管理体制の構築
産業医のみに頼るのではなく、産業保健師が対応可能な業務を分担して従業員の病気のケア・予防を行うことによって、よりきめ細やかな健康管理体制を構築することができます。
また、産業医が面談できる日程は限られてしまうケースが多いですが、産業保健師ならば、従業員の健康相談窓口として日常的な健康相談に対応できます。従業員にとって、より身近で気軽に相談できる存在なのです。
職場の衛生環境づくり
産業医だけではなかなか手の回らない職場環境の細やかな改善も、産業保健師ならば行うことができます。職場巡回によって従業員の健康を害する要因を発見し、改善策を講じることによって、職場の衛生環境づくりに役立てます。
具体的には、オフィスや作業場の温度・湿度・換気の改善、パソコンのレイアウトなどの物理的な環境から、コミュニケーション環境などについてのメンタルヘルス対策まで対応します。
企業と産業医の橋渡し
産業医は嘱託であるケースもあり、適切な情報伝達ができないこともあります。そのような場合には、常勤勤務であることの多い産業保健師に、健康管理・保健指導についての要望を伝えることが有効です。
産業保健師で対応できることであればすぐに対応し、産業医に伝える必要があると判断されれば、確実に伝えてもらえるでしょう。企業や従業員と産業医の橋渡しをする役割を担うのです。
産業医・人事担当者の負担軽減
産業保健師が配置されていない場合には、従業員の健康管理を産業医1人で対応しなければなりません。しかし、産業保健師がいれば、従業員の面談時も事前ヒアリングを行っておくことができます。企業の健康管理の状況、従業員の心身の様子を産業医に伝えることによって、よりスムーズに健康管理業務を進めることができます。
また、衛生委員会の運営を行っている人事担当者の負担を軽減させることにもなります。産業保健師が衛生委員会の議題などについてアドバイスをしたり、産業医への相談業務を担ったりすることができるからです。
産業保健師を選ぶときのポイント

企業に産業保健師を設置するならば、優秀な人材を得ようとするのは当然です。産業保健師を選ぶときのポイントとして、必要なスキルとスキルレベルについて解説します。
産業保健スキル
産業保健師が持っている、最も専門的なスキルが「産業保健スキル」です。健康管理に関する専門的見地からの従業員との面談スキル、ハイリスク者の判定などの実務スキルが該当します。
また、産業保健師として、衛生委員会の実施、健康についての研修の企画・実施など、企業全体に働きかけることも産業保健スキルに含まれます。
ビジネススキル
産業保健師も、企業の従業員の一員です。そのため、一般的なパソコンによる事務スキルは必要です。メールで業務連絡を行ったり、企画書・報告書を作成したり、データを集計・管理したり、講習会でプレゼンを行ったり、Web会議を行ったりしなければなりません。
また、企業内で仕事をするため、タイムマネジメントなどのビジネススキルも求められます。
コミュニケーションスキル
産業保健師は、従業員の健康管理を行うために、人事担当者や産業医と連携しなければなりません。また、ストレスチェックを行う場合などには、現場の管理職やサービス提供者とも交渉する必要があります。
各種の研修会などを開催する場合にも、各部門の担当者とコミュニケーションを図り、連携しなければならないでしょう。業務を遂行するには、高いコミュニケーションスキルが必須です。
ヘルスケアアプリ「HELPO」は健康経営推進をサポート
従業員の健康を維持して、企業が健康経営を推進していくために、産業保健師はさまざまなシーンで活躍が期待できるでしょう。しかし、良い人材を得ることは簡単ではありません。また、優秀な産業保健師が見つかったとしても、自社で雇用し続けることには、負担が伴います。
ヘルスケアアプリ「HELPO」ならば、医師・看護師・薬剤師の医療専門チームに気軽に健康医療相談をすることができます。24時間365日体制で受け付けており、チャット形式でアドバイスをもらうことができるので安心です。
体調不良だけではなく、健康について気になること、生活習慣の悩みなどについても相談できますので、健康管理に役立ちます。「HELPO」を活用して、従業員の健康対策を行いましょう。
まとめ

健康経営の推進には、産業保健師の果たす役割が重要です。きめ細かな健康管理体制の構築、職場の衛生環境づくり、企業と産業医の橋渡し、産業医・人事担当者の負担軽減などを行い、従業員の心身を健やかに保ちましょう。
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