モンスター社員はなぜ生まれる?原因と対応策を解説

企業における人事問題の中でも、近年特に注目されているのが“モンスター社員”です。彼らは職場環境や業務効率に深刻な影響を及ぼす存在として、多くの企業が頭を悩ませています。

一般的に、会社の規則を無視したり、周囲との協調性に欠けたりするなど、社会的常識から外れた行動が特徴とされています。一方で、労働法などの制度上の保護があるため、企業側が対処を誤ると法的リスクを負う可能性も否定できません。

本記事では、モンスター社員の特徴やリスク、増加の原因、そして対策までを総合的にご紹介します。問題社員に苦しむ組織の皆さまにとって、具体的な解決策を見いだす一助になれば幸いです。

企業に悪影響をもたらすモンスター社員とは

「モンスター社員」イメージ_やる気がなさそうに爪をいじる女性社員

まずはモンスター社員の定義を明確にし、その存在が企業に及ぼす影響について理解を深めましょう。

モンスター社員とは、職場の規則や業務命令への反発、大きく逸脱した要求、攻撃的な言動などで組織や周囲に悪影響を与える社員を指します。一般的な常識や社会的ルールを守らず、周囲と衝突を繰り返すことでチーム全体のパフォーマンスを低下させる原因となります。

例えば、チームワークを乱すような自己中心的行動や、正当な理由がなく業務を拒否するなどの問題行動が典型的です。これらの行動を放置してしまうと、ほかの従業員の士気が下がり、離職の引き金になることもあります。

さらに、企業側が規律違反として懲戒処分を下す場合でも、労働法上の配慮が必要です。手続きに不備があれば、不当解雇やハラスメントとして訴訟に発展し、高額な賠償を請求されるリスクもあります。そのため、早めの段階で問題を把握し、適切に対応していくことが重要です。

モンスター社員の6つの特徴

「モンスター社員」のイメージ_叱責を受けて項垂れる女性社員

ここでは、モンスター社員と呼ばれる人に共通する6つの特徴を整理してみます。

モンスター社員は、一見すると単なる問題児や能力不足だけでは語れない複合的な特徴をもっています。具体的にどのような行動パターンが見られるのかを把握しておくと、早期発見や対策立案に役立ちます。

以下では、代表的な6つの特徴を挙げて解説します。いずれも職場の秩序や周囲のモチベーションを大きく損ねる恐れがあるため、注意深く観察することが必要です。

もし複数の特徴が重なっている場合は、より深刻な問題に発展するリスクが高まります。状況に応じて専門家や弁護士への相談など、早急な対策を検討することが大切です。

遅刻や欠勤が多く、サボりがち

勤務態度が悪く、無断欠勤や遅刻が頻繁に起こるケースです。自己管理の甘さだけでなく、会社がどのようなペナルティを課しても改善しない傾向が見られ、周囲への悪影響は少なくありません。

他の社員がフォローしなければならない状況になれば、不公平感が生まれ、チーム全体のモチベーションが低下する原因にもなります。

こうした態度が続くと信用と評価を落とし、場合によっては結果として本人も不利な立場に追い込まれるため、早期の改善が望まれます。

協調性がなく、自己中心的

チームワークを無視し、自分の都合だけを優先して行動するのが特徴です。組織として取り組むべき業務や目標を理解せず、個人プレーに走りがちなため、周囲との連携がスムーズにいきません。

また、トラブルが発生したときに責任を取らなかったり、他人のせいにするなど、問題解決を先延ばしにする傾向があることも特徴です。

継続的にこうした行動が見られると、チーム全体の信頼関係が崩れ、優秀なメンバーの離職につながる懸念があります。

他人に対する攻撃性が高い

ハラスメントや暴言など、周囲を威圧するような攻撃的な言動を取るケースです。社内でのコミュニケーションが滞るだけでなく、職場全体の雰囲気を悪化させます。

場合によってはパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントに該当する行動も含まれるため、企業として厳しく対策を講じなければなりません。

もし被害を受けた社員が退職を考え始めるような状況まで放置すれば、組織の信用は下がり、訴訟リスクも高まる可能性があります。

また、ハラスメントに対する意識が高まっていることを逆手にとって、上司に対して「パワハラですか?」といった圧力をかける「逆パワハラ」行動もみられます。

家族が業務や職場に介入してくる

モンスターと呼ばれるのは社員だけではありません。学校などの教育現場でみられる、親や家族が介入してくる「モンスターペアレント」の場合もあります。

家族が労働条件や給与、評価などに直接介入してくることもモンスター社員の典型的な特徴です。本人の意見という形でなく、家族が会社に直接交渉してくるケースも少なくありません。

このような介入は職場の権限関係や評価基準を混乱させるだけでなく、マネジメント側の時間と労力を大きく奪います。対応を誤るとトラブルがエスカレートし、会社のコントロールが及ばない領域へ発展する恐れもあるため、慎重な対応が必要です。

能力が不足している

与えられた業務をこなすのに十分なスキルや知識がなく、周囲の社員によるフォローが欠かせない状況です。本人の努力不足である場合もあれば、そもそも適正が合っていない可能性もあります。

本来、研修や指導を経て改善が期待される部分ですが、モンスター社員の場合は向上心が見られず、周囲に負担だけが増え続けるケースが多いです。

結果的に組織全体のパフォーマンスを下げ、余計なコストも発生するため、配置転換や能力開発の仕組みを見直すことが求められます。

メンタルが不安定

近年では、精神疾患や発達障害などへの理解も深まり、メンタル状況の向き合い方も変化してきました。しかし、ストレスが原因でメンタルヘルス不調を起こしてしまう人は大勢います。

感情の起伏が激しく、些細な出来事にも過剰に反応してしまうなど、精神的に不安定な状態が続く場合が該当します。ストレスコントロールできないと、職場での衝突や長期休職の原因になることもあります。

さらに、精神疾患や発達障害の可能性がある場合には、適切な配慮や専門家によるサポートが必要です。安易な対応では本人の状態を悪化させかねません。

こうした背景を見逃すと、本人だけでなく周りへの影響が拡大する恐れがあるため、早めの相談体制や支援の仕組みを整えることが重要です。

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モンスター社員が企業にいるリスク

「リスク」のイメージ_RISKとプリントされた木製ブロック

モンスター社員が会社に居座り続けると、組織全体にどのような悪影響が及ぶのでしょうか。

企業風土やチームの雰囲気が大きく乱され、社員のモチベーションや生産性が下がることが最も顕在化しやすいリスクです。特に、周囲がフォローに追われることで不満やストレスが蓄積し、人材流出を引き起こす可能性があります。

さらに、モンスター社員への対応を誤って懲戒処分を下した場合、逆に会社側が訴訟を起こされるリスクも存在します。労働条件や解雇手続きの正当性をめぐる争いは長引きやすく、企業イメージやコスト面に深刻な影響を及ぼしかねません。

これらのリスクを回避するためには、日頃から社員の行動管理や労務管理を徹底し、問題行動の兆候を早期に発見できる体制を整えておくことが必要不可欠です。

生産性の低下

モンスター社員のサポートやクレーム対応に余計な時間と労力が取られ、他の業務が滞ってしまうことが原因です。組織全体の効率を考えると、非常に大きなマイナスとなります。

また、一部の社員に負荷が集中することで、モチベーションが低下し、結果としてパフォーマンスの質も落ちていきます。

この状態が長期化すれば、会社の業績そのものに影響を及ぼし、さらには顧客や取引先との関係にも悪影響が広がりかねません。

離職率の上昇

周囲の社員がモンスター社員のフォローに回ることで、大きなストレスを抱え、やがては転職や退職を検討し始めます。優秀な人材ほど、早い段階でこうした危険信号に気づき、別の職場に移る場合が多いです。結果として、企業は新人の教育や採用コストの負担が増加し、人材育成が進まなくなるという悪循環に陥ります。

社内のブラックな状況が口コミやSNSなどで拡散すれば、新規採用にも支障を来し、長期的には企業の根幹を揺るがす事態につながります。

(参考:厚生労働省|-令和5年雇用動向調査結果の概況-

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モンスター社員から訴訟を起こされる可能性がある

解雇や懲戒処分の手続きを踏む場合は、労働法をしっかりと理解したうえで行う必要があります。手続きに不備があれば、逆に企業側が不当解雇で訴えられるリスクが高まります。

企業としては、問題社員の行動を客観的に記録し、その経緯やエビデンスを整えることで、法的トラブルを回避しやすくなります。

万が一訴えられた場合でも、正当な対応をとっていた証拠や専門家の助言があれば、早期の紛争解決につなげることが可能です。

モンスター社員は辞めさせることができる?

モンスター社員の行動は、職場環境を悪化させ、企業によい影響を及ぼしません。そのため、辞めさせたいと考えることも多いでしょう。しかし、労働関連の法令上、簡単に辞めさせることはできません。

そのため、段階を追って対応することが必要です。具体的には以下のような段階を踏みます。

  1. 口頭指導
  2. 指導記録
  3. 異動・配置転換・降格・減給などの処分
  4. 退職勧奨
  5. 解雇

訴訟問題に発展した際に、証拠として提出できるように指導記録を残しましょう。指導する場合には、客観的に事実と判断されやすくなるため、書面だけでなく録音が有効です。

録音は裁判の証拠としても強力で、指導目的の録音ならば、プライバシーの侵害や個人情報保護にもあたりません。

また、降格などの処分に対して異論があった場合にも、指導記録を示すことで納得させることもできるでしょう。

退職勧奨は、長時間にわたって行ったり、頻繁に行ったりしないよう注意が必要です。最終的に退職するかどうかは労働者が判断します。長時間、複数回の退職勧奨は、退職強要と判断されやすくなってしまいます。

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モンスター社員を増加させる3つの原因

「モンスター社員」のイメージ_頭が混乱している様子の女性社員

もともと問題がない社員でも、企業の対応などが原因で、社員がモンスター化してしまう場合もあります。社員をモンスター化させないために、代表的な3つの原因を把握しておきましょう。

不適切な人事配置や評価制度

人には向き不向きもあるため、能力を発揮できない部署に異動を命じられてしまうと不満が生まれる原因となります。また、成果を上げても評価される仕組みがないと感じてしまえば、仕事に対するモチベーションも上がらないでしょう。

モチベーションも上がらず、不満に感じる期間が長引くと大きなストレスとなります。ストレスの蓄積によって、優秀な社員だったとしても、モンスター化してしまう可能性があるのです。

職場環境が望ましくない

仕事内容によっては、残業が必要なこともあるでしょう。しかし、生産性を向上させるための工夫もなく、長時間労働が当たり前な職場環境は、社員をモンスター化させる原因になります。

長時間労働は精神や健康状態に悪影響を及ぼします。職場環境をよくするためには、業務の効率化や生産性向上といった工夫は必須ともいえるでしょう。

メンタルヘルス対策の不足

令和5年の厚生労働省の調査では、過去1年間にメンタルヘルス不調により、連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%という結果が出ています。メンタルヘルス不調が長引くと、社員のモンスター化だけでなく、うつなどの精神疾患に発展するリスクも高まるため、企業として対策が必要です。

心が安定していれば、仕事のモチベーションが高まったり、パフォーマンスが向上したりといった成果が期待できます。ストレスチェックが義務付けられていない場合でも、メンタルヘルス対策のために実施することは大切です。ストレスチェックによって、見えていなかった課題が見つかることもあるでしょう。

見つかった原因の解決に向けて対策していけば、社員の精神状態が不安定になるリスクを下げていくことができます。

(参考:厚生労働省|令和 5 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

モンスター社員を減らすための3つの対応策

「良好な職場環境」のイメージ_笑顔で話をする上司と部下

モンスター社員を生まない、または減らすために企業が取るべき具体的な対策を紹介します。

企業としては、まずは問題が起きた後の対処よりも、“問題社員を作らない”ための予防策が重要です。制度設計や採用段階での見極め、現場でのコミュニケーションといった多角的なアプローチが求められます。

また、万が一モンスター社員が発生してしまった場合でも、正しい対応を取ることで被害を最小限に抑えられます。感情に流されず、客観的な事実とルールに基づき対処することが不可欠です。

以下の3つの対応策を整備することで、企業は自衛しつつ社員が安心して働ける環境づくりに近づけるでしょう。

就業規則や評価制度の見直し

まずは社内規程を明文化し、明確なルールを設けることが大切です。曖昧な運用は不公平感を生み出し、モンスター社員の基盤を作り出すことにもつながります。

従来の評価制度が形骸化している場合は、目標と達成基準を再設定し、公平性と透明性を高める工夫が必要です。これにより、問題行動を明確に浮き彫りにしやすくなります。

また、評価結果を社員にフィードバックする際は、具体的な事例をふまえて改善点を伝えることで、本人の納得感を得やすくなります。

採用基準の見直し

モンスター社員を採用しないために、面接の内容を精査することが重要です。たとえば、採用基準を以下のように設定しておくとよいでしょう。

  • 退職理由について質問した際に、前職の悪口などを言う人は採用しない
  • 質問内容を勝手に解釈され、求める回答が得られない人は採用しない
  • 自分の経験だけで価値を判断していると感じたら採用しない
  • 自慢話が目立つ場合は採用しない

上記のようなケースは、採用後にモンスター化するリスクが高いです。場合によっては、勢いがあってよい印象を受ける場合もあるかもしれません。しかし、冷静にみたときに上記のような要素が少しでも感じられたら、採用判断に時間をかけるべきでしょう。

採用段階で人物像をしっかりと確認し、問題行動につながりやすい性格特性や態度を持つ候補者を見極める取り組みが有効です。性格検査や適性検査などのツールも活用できます。

早い段階からリスクを回避するためにも、企業が求める人材像を明確にし、採用プロセスを最適化していくことが望まれます。

相談窓口の設置

社員が不安や不満を気軽に相談できる窓口やカウンセリング制度を整えることで、問題行動の芽を早期に発見できます。相談者のプライバシーを保護する仕組みも重要です。

具体的には、社内にメンタルヘルス窓口を設けたり、外部の専門機関と提携し電話相談やオンライン相談を活用するケースがあります。

早期に対処すれば、潜在的なモンスター社員の行動を改善できる余地が高まり、組織全体の健全性を保つことにつながります。

メンタルヘルス対策なら「HELPO」もご活用ください

ストレスや悩みを抱えていると心身に不調が現れてきます。周りに相談できる人がいなくて、つい我慢してしまう人もいるでしょう。ストレスを溜め込んでしまうことがモンスター社員にも繋がるため、社員の心の相談窓口を用意しておくのがおすすめです。

心の内を話すことは勇気がいることですが、HELPOはチャットで24時間医療者に匿名で相談することできます。中には社内に情報が漏れることを恐れたり、専門の病院に行きづらいと思っていたりする人もいるでしょう。

ヘルスケアアプリ「HELPO」は個人情報をしっかりブロックしているので、気軽に相談できるのが特徴です。メンタルヘルスへの早期対応が、モンスター社員を減らすことにもつながります。

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まとめ

「解決策」のイメージ_笑顔で前を向く男女社員と、こちらを見てガッツポーズをする女性社員

心の不調から健康被害を助長させないためには、24時間いつでも相談できるHELPOがおすすめです。社員の健康サポートにHELPOの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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