リテンションマネジメントの方法と企業事例をご紹介

リテンションマネジメントとは、人材を確保するための管理手法を指します。退職率の増加により人材不足に陥っている場合、リテンションマネジメントの実施により退職率の低減が見込めます。しかし、「本当に効果があるのかわからない」「どのような施策をすれば良いかわからない」という方も多いでしょう。

そこで今回の記事では、リテンションマネジメントの意味から方法、企業実例を紹介していきます。

リテンションマネジメントとは?

「疑問」のイメージ_真剣に考える女性

リテンションマネジメントとは、「リテンション(保持・維持)」と「マネジメント(管理)」を組み合わせた言葉で、優秀な人材に活躍し続けてもらうための管理手法です。優秀な人材はどこの企業でもニーズが高いため、リテンションマネジメントを行わなければ、他の企業に移ってしまう可能性が高くなるでしょう。

現時点でもさまざまな企業で人材不足が問題になっていますが、今後は少子高齢化などで労働力不足がさらに深刻化していくことは目に見えています。退職率が高くなると採用のコストもかかってしまいますし、場合によっては悪い噂が広まり、良い人材を採用しづらくなる可能性もあるでしょう。そういった意味でも、リテンションマネジメントは重要です。

リテンションマネジメントの方法4つ

「ポイント」のイメージ_人差し指を立てる女性

リテンションマネジメントが重要なことは理解できても、一体どのような方法を取り入れれば良いのかわからない方も多いでしょう。ここでは、リテンションマネジメントの方法について4つ紹介していきます。

心身ともに健康に働ける環境の整備

心身ともに健康的に働ける環境を整備すれば、病気により従業員が離職することは少なくなるでしょう。そのためには、普段から長期労働時間を少なくしたり、有給休暇を取りやすくしたりするなどして、従業員が健康的に働ける環境を整備することが大切です。また、心身に異常を感じたときに、すぐに産業医や医療専門家へ相談できる環境を準備することも重要になります。いつでも相談できる環境があれば、従業員の安心感にも繋がるでしょう。

社内コミュニケーションの活性化・課題解決

社内コミュニケーションを活性化すれば、社員同士の相互理解をより進められます。社内コミュニケーションが活発になれば、一人ひとりの社員が必要とされている実感を得られるため、社内に残りやすくなるでしょう。結果的に、従業員の離職率を下げられます。また、セクハラやパワハラをはじめとする社内コミュニケーションの課題解決も重要です。課題解決のために、問題が生じたときに相談できる環境を準備しておくことも大切です。

公平感のある報酬体系や評価制度の確立

公平感のある報酬体系や評価制度がなければ人材は定着せず、離れていってしまうでしょう。スキルに合った報酬体系であるか、組織に釣り合った評価制度なのかを見直し、必要であれば適切なものに設計しなおす必要があります。評価制度がはっきりしていれば、自分の働きのどこが評価されたのかがわかりやすくなり、従業員のやる気も高まるでしょう。評価制度が不透明にならないよう、納得感のあるものを設計するためには、専門家に依頼するのもおすすめです。

福利厚生制度の充実

福利厚生制度を充実させることでも、従業員の離職を防ぐ効果が期待できます。福利厚生には従業員が安心して働けるような雇用保険や健康保険以外にも、住宅手当や施設の割引制度などさまざまな制度があります。たとえば従業員に健康的な食事をとってもらえるよう、社員食堂を整備しても良いかもしれません。他にも、スポーツジムや健康管理が可能なツールを利用できるようにするなど、健康に資するような福利厚生制度を取り入れるのもおすすめです。

リテンションマネジメントの具体例は?企業事例

「企業」のイメージ_高層ビルを見上げた様子

リテンションマネジメントの具体例として、以下の3つの企業事例を紹介します。それぞれの詳細を解説するので、参考にしてみてください。

  • サントリーホールディングスの事例
  • 鳥貴族の事例
  • サイボウズの事例

サントリーホールディングスの事例

サントリーホールディングスでは若手が活躍できる組織を目指し、「グローバルやってみなはれ」をビジョンに掲げています。従業員の「やってみなはれ」を加速させるために、グループ各社から事例を募り競わせる「やってみなはれ大賞」を実施。役員による投票で決定した優勝チームには、創業精神を体感できる「プライスレスツアー」が贈られます。

また、自らのキャリアを自律的に考え行動する機会を増やすために「タレントマネジメント(※)」や「働き方」などのチームにわかれ、ビジョンを具体的な施策へと落とし込む検討を進めてきました。また、多様な人材が働きやすい環境を作るために、「遠隔地勤務制度」の導入も検討しています。

※タレントマネジメント:従業員が持つスキルや能力などの情報を、戦略的に管理し人事配置や人材開発を行うこと

鳥貴族の事例

株式会社鳥貴族では、新入社員の育成に力を入れています。入社後1ヶ月以内に面接官が配属店舗に訪問し、新入社員をフォローすることにより、早期退職者の抑制に成功しています。

また、社長や役員とのへだたりをなくすため、社員全員が一緒の部屋で仕事をするようにしました。その結果、経営層から若手社員までそれぞれがお互いの業務を理解でき、コミュニケーションも活発になりました。

さらに、飲食店で多く見られがちな無断残業を禁止し、従業員が働きやすい環境を作っています。残業のたびになぜ残業が必要だったのかを報告し、早く帰るためにはどうしたら良いかを考え、改善に取り組んでいます。他にも退職者にヒアリングして今後に活かすなど、さまざまな対策を実施している企業です。

サイボウズの事例

サイボウズ株式会社では、「100人いたら100通りの働き方」があって良いという考えから、社員が自分らしく働けるような環境づくりに力を入れています。「働き方宣言制度」は、ライフステージの変化に合わせて働き方を選択できる制度です。育児や介護だけでなく、通学や副業など個人のやりたいことに合わせて勤務時間や場所が決められます。

「ウルトラワーク(在宅勤務制度)」は、働き方宣言制度で決めた働き方とは異なる働き方を「単発で」行う制度です。在宅勤務や時差出勤などの働き方を単発でできるため、「チーム」「個人」両方の生産性向上が見込めます。上司の承認なしでの副業や子連れ出勤を可能にするなど、さまざまな施策を行った結果、2005年に28%だった離職率が現在は3~5%程度になりました。

従業員の働く環境の改善に「HELPO」

リテンションマネジメントを積極的に行うことで退職率低下に繋げられるため、採用にかかるコストや教育コストを削減できます。また、業界内での評判も向上し、自社に入りたいと思う人材も増えるでしょう。

気軽に取り入れられる方法としておすすめなのが、ヘルスケアアプリ「HELPO」です。「HELPO」はスマホアプリで、チャットを通じて24時間365日、いつでも医師や看護師、薬剤師に相談できます。不調を感じたときに相談できるのはもちろん、病院へ行くほどではないちょっとした悩みにも答えてくれるため安心です。いつでも相談できる環境があれば社員の安心感にも繋がるため、リテンションマネジメントの一つとしてぜひご検討ください。

リテンションマネジメントの例を参考に

リテンションマネジメントは人材不足が深刻化する現在、重要度の高い施策だと考えられます。リテンションマネジメントの方法には、「心身ともに健康に働ける環境の整備」「社内コミュニケーションの活性化・課題解決」「公平感のある報酬体系や評価制度の確立」「福利厚生制度の充実」がありました。

企業実例ではさまざまな施策により実際に退職率の低下に繋がっている企業もあり、自社でも積極的に取り組もうと思えた方も多いのではないでしょうか。

しかし、一度に多くの施策に取り組もうとすると大変になるため、少しずつできることから対策していくと良いでしょう。効果があるリテンションマネジメント施策を探している方には、ヘルスケアアプリ「HELPO」の導入がおすすめです。この機会にぜひ一度、ご検討ください。

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