部下のメンタル不調に気付ける?不調を知らせるサインと対応策

企業におけるメンタルヘルスケア対策は今や義務です。管理監督者の果たす役割は大きいのですが、管理監督者をメンタルヘルスケア対策にどのように向き合わせればよいのか分からないという企業もあるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、部下のメンタル不調を見分けるサインや、企業と連携しながら行うメンタルヘルスケアについて解説します。メンタルヘルスケア対策の枠組みを理解することで、部下本人、管理監督者、企業とそれぞれが適切な役割を担えるでしょう。

部下がメンタル不調?!サインを見逃していませんか?

「メンタル不調」のイメージ_落ち込んんだ様子でエスカレーターに乗る女性

メンタル不調への対応は、政府を挙げて取り組んでいる社会問題のひとつです。企業内に長時間労働やハラスメントといった深刻な問題がない場合にも、メンタルの不調はおきています。管理監督者という立場にある方は、自分自身のメンタルヘルスケアを行うとともに、部下のメンタルヘルスにも気を配らなければなりません。

職場の人間関係や家庭内の問題、テレワークをはじめとする業務環境の変化、業務の拡大やキャリアアップなど、あらゆるものがメンタル不調を引き起こす原因になり得ます。

メンタルの不調は本人が気付かないことも少なくありません。管理監督者の観察をメンタル不調対策へとつなげるためには、メンタル不調のサインや対応策に関する知識が不可欠です。ただし、自分ひとりで何とかしようとするのではなく、企業が設けているメンタルヘルス管理体制を熟知し、うまく活用していくことが求められています。

3つのサインで部下のメンタル不調を見抜く

「ストレス」のイメージ_頭を抱えて困った様子で電話を受ける女性

ここではメンタル不調を疑わせる、職場での行動や態度の変化を取り上げます。メンタルの不調は、できるだけ早く見つけることが重要です。早く見つけて対処すれば、ダメージも少なく回復にかかる期間も短くて済みます。小さなサインも見逃さないようにしましょう。 

1. 欠勤・遅刻、勤怠の乱れ

タイムカードのデータから、勤怠に乱れのある部下がいることに気付くかもしれません。これはメンタル不調によくあるサインです。

最初は月曜日だけ少し出社が遅れる、5分、10分だった遅刻が伸びてきて30分遅れるようになる、次第に遅刻する曜日や回数が増えていく、これらは出社しようと思っているものの身体がどうしても言うことを聞かないという状態を表しています。

欠勤が増え、週5日勤務のうち3日も出社しなくなってしまうという段階では、かなり深刻です

2. 勤務態度や生産性の変化

メンタルに不調をかかえると、仕事に集中できなくなるため、操作ミスや判断ミスが増えてきます。仕事の生産性が極端に低下する、いつもならできていたことができないという状態も、メンタル不調のサインです。以下のような状態がよく見られます。

  • 取引先に仕事の電話がかけられない
  • 定型書類なのに満足に作れない
  • 単純なミスが増える
  • 気付けば手が止まっていて、仕事の効率が落ちている
  • チャレンジする意欲がなくなる など

3. 体調・感情・外見の変化

さらに、体調や感情、外見にも変化が見られるようになります。以下のようなサインがある場合には、メンタル不調を疑いましょう。

体調・感情・外見の変化(表)

メンタル不調の部下への対応のポイント

「部下への対応」のイメージ_笑顔で部下に声をかける上司

メンタル不調のサインに気付いたら、放置しておいてはいけません。どうしようかと迷っているうちに、メンタル不調がさらに進んでしまうというケースも多く見られます。早期回復につなげるためにも、迅速な対応が必要です。ここでは、部下のメンタル不調のサインに気付いた場合に、管理監督者が取るべき対応を解説します。 

慎重な声掛け

勤務態度や外見などのサインに気付いた場合には、適切な声掛けで状況を把握するように努めます。しかし、声掛けの仕方にも工夫が必要です。

例えば、「食欲はありますか?」と聞いても「ある」としか返ってこないかもしれません。「昨晩は何を食べましたか?」と尋ねると具体的な情報を得られるでしょう。悩みを話してくれた場合には、「打ち明けてくれてありがとう」「つらかったね」と共感するようにします。

話を聞く場合には、他の従業員に知られないような配慮も必要です。「頑張ろう」という言葉は使わないようにしましょう。責められているように感じ、「頑張っているのに」とネガティブな感情を引き出してしまいます。

専門家に相談

メンタルの不調には専門知識をもって対応しなければなりません。自己判断で病名を決めつけたり、インターネットで仕入れた中途半端な情報を共有したりすると、不調を悪化させてしまう事にもなりかねません。

自分だけで何とかしようとするのではなく、医療の専門家である産業保健スタッフに相談するようにしましょう。人事部門の担当者にも情報を共有し、企業のメンタルヘルスケア体制を活用したサポートへとつなげます。メンタル不調が疑われる部下本人にも、専門医を受診するよう促すことが重要です。

診断書が出たら速やかに休職させる

専門医により「休職を要す」「自宅安静が必要」などの診断が下された場合には、速やかに休職させるようにしましょう。休職が遅れると、病状が悪化する危険性もあります。企業が安全配慮義務違反に問われる可能性さえあるのです。

業務の引き継ぎなども、できる限り要点のみの確認にとどめ、メールや電話など体力・気力を消耗しない方法で速やかに行います。「このプロジェクトが終わるまで」「仕事量を減らして様子を見よう」といった考えで休職を先延ばしにすることは避けなければなりません。

復帰しやすい環境作り

休養期間を終えて職場復帰する部下のためには、復帰後の業務量や内容を調整し、再び同じ問題を抱えることがないよう配慮しなければなりません。

メンタル不調の原因が長時間労働や職場の人間関係であった場合には、部署や企業組織全体の問題を洗い出し、対策を講じる必要があるでしょう。以前と同じ環境に復職させるとメンタル不調が再発してしまう恐れがある場合には、産業保健スタッフなどと相談のうえ、配置転換など柔軟に検討することも必要です。 

周囲の配慮が必要なケースにおいては、病状を誰に、どこまで伝えるか、なぜ伝えるのか、などを本人と事前に話し合い、了解を得ておくようにしましょう。 

それダメ!上司がやってはいけない3つの言動

「ストレス」のイメージ_叱責する男性管理職と、話を聞く部下

部下のメンタル不調に直面し、当惑してしまう方は少なくありません。的外れな対応で状態をかえって悪化させてしまうことだけは避けたいと思っておられることでしょう。ここでは管理監督者として、メンタル不調の疑いがある部下に対して、やってはいけない3つの言動をご紹介します。

1. 何もしない

「地雷を踏みたくないから」と、何もしないという上司がいます。メンタルヘルスに関する知識不足がためらいの理由かもしれません。

メンタルヘルスに関する知識を身につけるためには、学ぶ姿勢が不可欠です。業務以外のことに無関心といった態度でメンタルヘルスの知識をなおざりにしていると、部下の出しているメンタル不調のサインに気付けません。

気付く努力をしない、気付いても何もしないというのは上司としてやってはいけない対応です。

2. 精神論や個人的な価値基準を押し付ける

減ってきているとはいえ、メンタルの不調を「気のゆるみ」や「根性が足りない」といった精神論で片付けようとする管理監督者もいます。これは大きな間違いです。

2021年度実施の上場企業144社を対象とした調査によると、「心の病」が「増加傾向」と回答した企業は22.9%、「横ばい」が59.7%です。「コロナ禍で従業員のメンタルヘルスが悪化した」と答えた企業は約4割にものぼります。

精神的に弱い少数派だけがメンタルの不調を抱えるわけではありません。だれもがメンタルに不調を抱える可能性があるという理解が必要です。

「こんなこともできないのか」「このぐらいできるはずだ」といった不用意な発言は、メンタル不調をかえって悪化させることになるため、控えなければなりません。

3. 自分だけで何とかしようとする

親身になって面倒をみるタイプの上司にも落とし穴があります。相談に乗ったり仕事を減らしてあげたりするのはいいのですが、「俺に任せとけ」と自分ひとりで抱え込んでしまうのは危険です。

良かれと思って部下の病状を隠し、関係部署との情報共有もせずに独自のサポートを続けると、取り返しのつかないまでに悪化してしまうこともあり得ます。医療の専門家や企業のメンタルヘルスケア体制と協力しながらサポートすることが重要です。

メンタル不調を防ぐための企業としての対策

「診療」のイメージ_真剣な表情で話を聞く医師

従業員のメンタルヘルス対策は、管理監督者だけに任せておけばよいというものではありません。企業としてメンタルヘルスにしっかりと取り組むことは、社会的な義務を果たすという意味合いだけでなく、企業の成長や安定性を確保する上でも重要です。ここでは、企業としてどのようにメンタルヘルス対策を講じればよいのか、詳しく解説します。

管理監督者に対する教育

勤務態度を間近で見る管理監督者は、メンタルヘルスケアに関する基礎知識をもった上で部下をサポートしなければなりません。メンタルヘルスに関するセミナーを受講させたり、メンタルヘルス・マネジメント検定試験を受験させたりするなど、管理監督者にメンタルヘルスの知識を身につける機会を与えることが必要です。

正しい知識が身に付けば、メンタル不調に対する迅速なアクションが可能になります。部下を観察することでメンタル不調のサインを見抜くだけでなく、巧みな質問で体調や悩みを聞き出し、適切な対処方法を教えられるようになるでしょう。

ストレスチェックやアンケートの実施

従業員が50人以上いる企業においては、ストレスに関する質問票を使ったストレスチェックを年に1度実施することが、法律によって義務付けられています。形式的なものではなく、企業独自のアンケートやサーベイツールを活用し、ストレスを感じにくい職場作りに生かしていくことが必要です。

すでにメンタル不調のサインが表れている社員への対応策を迅速に取るだけでなく、メンタル不調の原因を見分け、企業ができる範囲でその原因を取り除く取り組みを行わなければなりません。そのような取り組みの積み重ねが、次のメンタル不調を未然に防ぐことになります。

4つのケア体制の構築

厚生労働省が作成した指針によると、従業員のメンタルヘルスケアにおいて、企業には4つのケア体制を確立することが求められています。

「4つのケア体制の構築」のイメージ

(参考: 『職場における心の健康づくり』)

定期的な職場環境の見直し

職場環境改善の取り組みは継続して行わなければなりません。働きやすさの基準は、社会や価値観の移り変わりによっても変化するからです。

例えば、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、テレワークの導入が促進されました。当初は自由度の高い働き方として評価され、良いことばかりといった印象でした。しかし、孤独感やコミュニケーション不足による業務のしにくさ、仕事に集中できないなど、新たな問題点も出てきています。

業種や業態、従業員のタイプによっても働きやすさの基準は異なるため、定期的な職場環境の見直しで調整していくことが必要です。

小さなサインに対処するHELPOでセルフケアを後押し!

「ソリューション」のイメージ_清々しい笑顔で空を見上げる男性

メンタル不調によるダメージを最小限にとどめられるかどうかは、少しでも早く不調のサインに気付けるかどうかが鍵になります。管理監督者の手腕も試されますが、セルフケアで本人が気付ければ、それが一番の近道です。

スマホひとつで健康に関する相談ができるHELPOは、セルフケアをサポートするサービスとして注目されています。その特徴のいくつかをご紹介させてください。 

24時間365日チャットで相談できるヘルスケアアプリ

HELPOはチャットで気軽に健康に関する相相談ができるヘルスケアアプリです。24時間365日対応可能で、医師や看護師、薬剤師の医療専門チームに、健康や身体の悩みを相談できます。メンタル不調の場合、対面での相談を嫌がるケースも少なくありません。チャットであれば気軽に相談できます。

体調不良の小さなサインやささいな違和感を相談できるため、問題が深刻化する前に対応できるのが大きな魅力です。メンタルヘルスケアは早期の対応が鍵といわれています。HELPOを導入することで、企業全体のセルフケアを後押しできるでしょう。

オンライン診療も可能で素早い対処が可能

メンタルの不調は専門的な治療が必要となるケースが多く、早く開始すれば回復も早いため、その場かぎりではなく治療につながるアクションが欠かせません。

HELPOでは症状にあった診療科の案内が可能で、検索機能を使って近くの病院を検索することもできます。通院せずにビデオ通話で診療を受けられるオンライン診療のサービスもあるため、専門医への相談に腰が重い方でも、早期の対処が可能です。

まとめ

「ストレス」のイメージ_書類に目を通しながら額に手を当て、疲労した様子の男性

ストレス社会といわれる現代においては、だれもがメンタルに不調を抱える可能性があります。管理監督者や企業は、部下や従業員のメンタルヘルスケアに気を配り、正しい知識をもって予防や対応にあたることが必要です。

管理監督者が部下の不調サインに気付いた場合には、産業保健スタッフや人事などとも連携してサポートしていかなければなりません。

ぜひとも取り組んでいきたいのが、本人が不調に気付き適切に対処する、セルフケアのサポートです。スマホひとつで健康相談ができるHELPOを、企業のセルフケア対策にぜひご活用ください。

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