女性活躍推進法が2022年4月に改正!対象企業に求められる取り組みとは

女性活躍推進法(正式名称「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」)は2015年8月に成立し、2016年4月から施行された10年間の時限立法です。2019年5月には改正女性活躍推進法が成立し、順次施行となりました。女性活躍推進法の改正内容や企業がとるべき対応について、詳しく知りたいという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、女性活躍推進法の概要や改正のポイント、対象企業が行わなくてはならない取り組みについてご紹介します。女性活躍推進法とその改正について、全体像をご理解いただけるでしょう。

目次

女性活躍推進法とは

「女性活躍推進」のイメージ_笑顔で話をしている2名の女性社員

2015年に成立し、2016年4月から施行された女性活躍推進法は、仕事での活躍を望む女性が個性と能力を発揮して活躍できる社会の実現を目指すものです。ここでは、女性活躍推進法の目的や基本原則、制定された背景について解説します。

女性活躍推進法の目的  

女性活躍推進法は、仕事において活躍したいと望む全ての女性が個性と能力を発揮して活躍できる社会を実現するための基本原則や方針、事業主の義務について定めたものです。これにより、女性の活躍の推進や男女の人権の尊重、少子高齢化などに対応できる社会を実現することを目指しています。

女性活躍推進法によって、常時雇用する労働者の数が301人以上の事業主に対し、自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析、数値目標と取り組みを盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表、自社の女性の活躍に関する情報の公表が義務付けられました。

2019年5⽉には内容が見直され、義務化の対象となる事業主の範囲が拡大されるなどの改正が行われています。

女性活躍推進法の3つの基本原則 

女性活躍推進法の第一章では、女性の職業生活における活躍を推進するための3つの「基本原則」が示されています。それぞれの要点は以下の通りです。

1. 女性の採用や昇進の機会を積極的に提供し、能力と個性を発揮できるようにする

一つめは、職業における男女間の格差をなくし、女性が個性と能力を十分に発揮できるようにすることです。企業は、女性に対して採用や昇進などの機会を積極的に提供するだけでなく、性別による役割分担を反映した慣行にも配慮する必要があります。

2. 男女両方が職業生活と家庭生活を円滑かつ継続的に両立できる環境を整備する

女性が働くことを望んでいても、結婚や出産、育児、介護などを理由に退職せざるをえないケースは多くあります。男性と女性の両方が家庭での役割を果たしつつ仕事で活躍できるよう、環境を整備することが重要です。

3. 女性の職業生活と家庭生活の両立に関しては、本人の意思を尊重する

女性の職業生活における活躍は強制されるべきものではなく、本人の意思が尊重されることが大切です。

女性活躍推進法が制定された背景

女性活躍推進法が制定された背景には、日本ではいまだ多くの女性が職業生活において十分に力を発揮できていないという現実があります。育児や介護のために働くことができない女性は多く、総務省の調査結果を見ると、女性の非労働人口のうち就業を希望しているものの働いていない女性は2018年調査で約237万人、2020年調査で約198万人です。

さらに、第1子の出産を機に離職したり、出産・育児後の再就職では非正規雇用になったりするケースも多く、管理的立場にある女性の割合は2018年時点で約15%と諸外国と比べても低い数値となっています。

一方で、日本では人口減少による将来的な労働力不足が懸念されているほか、多様化する国民のニーズやグローバル化への対応が求められており、多様な人材の確保は重要な課題です。女性活躍推進法の制定や改正は、このような現実を踏まえて実施されました。

法改正のポイント

「女性活躍推進」のイメージ_笑顔でパソコンを操作する女性

2019年5月に改正女性活躍推進法が成立し、事業主に義務付けられる内容や対象となる事業主の範囲が拡大されました。ここでは、法改正の内容と施行時期を確認するとともに、先日2022年4月から改正となった内容について解説します。

2019年に改正女性活躍推進法が成立  

改正女性活躍推進法は2019年5月に成立し、2020年4月から順次施行されています。改正内容と施行時期は、以下の通りです。

  • 「一般事業主行動計画の策定・届出」について、常時雇用する労働者が301人以上の事業主は、2020年4月1日以降が始期となる一般事業主行動計画を作成する際、以下2つの区分ごとに1項目以上を選択し、数値目標を定めた行動計画の策定届を提出
    (1)女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供
    (2)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備
    (2020年4月~)
  • 「自社の女性活躍に関する情報公表」について、常時雇用する労働者が301人以上の事業主は、以下2つの区分ごとに1項目以上を選択し、2項目以上の情報を公表
    (1)女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供
    (2)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備
    (2020年6月~)
  • 女性の活躍推進状況が優良な事業主を認定する「えるぼし」認定について、より水準の高い「プラチナえるぼし」認定を創設
    (2020年6月~)
  • 「一般事業主行動計画の策定・届出」と「自社の女性活躍に関する情報公表」の義務対象を、常時雇用する労働者が301人以上の事業主から101人以上の事業主に拡大
    (2022年4月~)

2022年4月から施行となる内容   

2022年4月からは、「一般事業主行動計画の策定・届出」と「自社の女性活躍に関する情報公表」の義務対象が、「常時雇用する労働者が101人以上の事業主」に拡大されました。

ここでいう「常時雇用する労働者」とは正社員に限らず、パートや契約社員、アルバイトなどであっても「期間の定めなく雇用されている」あるいは「一定の期間を定めて雇用されており、過去1年以上の期間について引き続き雇用されている、または雇入れの時から1年以上引き続き雇用されていると見込まれる」労働者が該当します。

この度の改正により、従来の女性活躍推進法では義務化の対象外だった101人以上300人以下の中小企業も、一般事業主行動計画の策定・届出を行い、自社の女性の活躍に関する情報の公表を実施することが義務となりました。なお、100人以下の企業については、これらの実施は努力義務とされます。

事業主が行う取り組み1|一般事業主⾏動計画の策定・届出   

「取り組み」のイメージ_パソコンを操作する男性の手元

改正女性活躍推進法の対象企業は、「一般事業主行動計画の策定・届出」と「自社の女性活躍に関する情報公表」の実施が必要です。ここでは、厚生労働省の資料「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!」を参考に、ポイントを解説します。

(参考: 『女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!』)

⾃社の⼥性の活躍状況を把握し、課題を分析する

一般事業主⾏動計画の策定にあたり、まずは自社の女性の活躍に関する状況把握、課題分析を行うことが必要です。事業主が必ず把握すべき項目として、以下4つの「基礎項目」が定められています。

1. 採用した労働者に占める⼥性の割合(「労働者に占める⼥性の割合」でも代替可能)

計算方法は、「直近の事業年度の⼥性の採用者数÷直近の事業年度の採用者数×100(%)」です(「採用者」はいずれも中途採用を含む)。

この項目は、職種や資格、雇用形態、就業形態などの労働者の区分である「雇用管理区分」ごとに把握しなければなりません。

2. 男⼥の平均継続勤務年数の差異

この項目も、「雇用管理区分」ごとの把握が必要です。

3. 各⽉ごとの平均残業時間数等の労働時間(健康管理時間)の状況

「各⽉の対象労働者の(法定時間外労働+法定休日労働)の総時間数の合計」を「対象労働者数」で割って平均値を算出します。

4. 管理職に占める⼥性の割合

計算方法は「⼥性の管理職数÷管理職数×100(%)」です。

これらの「基礎項目」について分析をした結果、課題であると判断された事項に関しては、「選択項目」を活用してより深い原因分析を行うことが推奨されています。

⾏動計画を策定し、社内周知・公表する  

行動計画には、以下の4つを盛り込む必要があります。厚生労働省の資料「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!」にはそれぞれの詳細な説明に加え「行動計画の策定例」も記載されているため、参考にするとよいでしょう。

計画期間

2025年度までの期間でおおむね2年間から5年間に区切り、定期的に進捗の検証をしながら改定を行います。

目標設定

数値目標に関する項目は、「(1)女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「(2)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の2つの区分があります。常時雇用する労働者数が301人以上の事業主は(1)と(2)の区分ごとに1項目以上を選択し、数値目標を含む行動計画を策定しなくてはなりません。

常時雇用する労働者数が300人以下の事業主は、区分を問わず1つ以上の数値目標を定めることが求められています。

取組内容

数値目標を設定した項目について、目標達成のために必要な取り組みを検討します。

取組の実施時期

内容と併せて、実施期間も検討しましょう。行動計画を策定あるいは変更した際には、事業所内での掲示や電子メールの送付、イントラネットへの掲載といった方法により全ての労働者に周知するとともに、外部にも公表する必要があります。

⾏動計画を策定した旨の届出をする

行動計画を策定あるいは変更したら、その旨を直轄の都道府県労働局に届け出ます。届出方法は、電子申請、郵送、持参の3つから選択可能です。

届出のための様式は「様式第1号 一般事業主行動計画策定・変更届」と「様式第2号 (一体型)一般事業主行動計画策定・変更届」の2種類があり、後者は次世代育成支援対策推進法に基づく⾏動計画と併せて策定した場合に使用します。

これらの様式は厚生労働省の「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)」に掲載されており、ここからダウンロードが可能です。

(参考: 『女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)』)

取り組みを実施し、効果を測定する

行動計画の策定や届出が完了したら、目標の達成を目指して取り組みましょう。取り組みの実施状況や数値目標の達成状況については、定期的に点検・評価を実施します。評価結果はその後の計画や取り組みに生かし、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のPDCAサイクルを回していくことが大切です。

事業主が行う取り組み2|⼥性の活躍に関する情報の公表 

改正女性活躍推進法の対象企業は、「一般事業主行動計画の策定・届出」に加え、「⼥性の活躍に関する情報の公表」を行う必要があります。情報内容はおおむね年1回以上更新し、その時点での最新の数値を公表しなくてはなりません。

また、情報の公表にあたっては厚⽣労働省の「⼥性の活躍推進企業データベース」や自社ホームページなどインターネットを利用するなどし、求職者が閲覧しやすいようにすることが大切です。

情報公表の項目は、一般事業主行動計画の数値目標と同じく、「(1)女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「(2)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の2つの区分があります。

常時雇用する労働者数が301人以上の事業主は(1)と(2)の区分ごとに1項目以上を選択し、常時雇用する労働者数が300人以下の事業主は区分を問わず1つ以上の項目を選択して情報公表をすることが必要です。

(参考: 『女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!』)

HELPOは従業員が元気に活躍できる職場づくりをサポート

女性活躍推進法が改正され、企業には女性が活躍できる職場づくりのための一層の努力が求められています。女性を含む多様な人材が生き生きと活躍できる職場をつくるためには、健康経営の推進もとても大切です。

ヘルスケアアプリHELPO(へルポ)なら、身体の不調や不安について、医師・看護師・薬剤師からなる医療専門チームに24時間365日いつでも相談できます。病院に行くほどではないと感じる軽い体調不良やちょっとした不安も気軽に相談できるのが、心強いポイントです。症状をヒアリングした上で、適切な診療科をご案内することもできます。

HELPOを活用して健康管理をしっかりとサポートすることで、女性を含む従業員が安心して働くことができ、個性や能力を発揮することにつながるでしょう。

まとめ

「女性の活躍推進」のイメージ_笑顔でパソコン操作する女性

女性活躍推進法は、女性が個性と能力を発揮して活躍できる社会の実現を目指すものです。2019年には内容の一部を見直した改正女性活躍推進法が成立し、2022年4月からは「一般事業主行動計画の策定・届出」と「自社の女性活躍に関する情報公表」の義務対象となる事業主の範囲が拡大されました。

ヘルスケアアプリHELPOは、従業員の健康管理を強力にサポートします。女性を含む多様な人材が元気に働き、輝ける職場づくりのためにぜひご活用ください。

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