人的資本経営の取り組みとは?メリットや具体例をご紹介

働き方や人の価値観が変化していく中で、人材を「資本」として考える「人的資本経営」が注目を集めています。「人的資本経営」は人材の価値を引き出す経営スタイルであり、それにより持続的な企業価値の向上に繋げていきます。

人的資本経営という言葉は聞いたことがあったとしても、「どのような経営なのか」「どのような取り組みをすれば良いのか」わからない方もいるでしょう。そこで本記事では、人的資本経営の取り組みやメリット、具体例を紹介していきます。

人的資本経営とは?わかりやすく解説

「疑問」のイメージ_木製ブロックにクエスチョンマークがプリントされている様子

経済産業省では『人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方』と定義しています。従来の経営と人的資本経営の違いは、以下の通りです。

人材への捉え方人材の育成や管理などにかかる費用
従来の経営資源コスト
人的資本経営資本企業存続のための戦略的投資

人材にかかる費用をコストとして考えていた従来の経営と比べると、人的資本経営は投資と捉えており、人材を大切にしていることがわかります。さらに近年、労働環境は大きく変化しています。リモートワークなどDXの普及による働き方の多様性が加速する中で、、並行して人的資本経営の考え方が求められるようになりました。また、投資家からESG経営(※)を求められるようになり、それに沿った人的資本経営が注目されています。

内閣が2023年から有価証券にて「非財務情報(人的資本情報も含まれる)」の開示を義務化しました。投資家に短期的ではなく長期的な目線での投資を促し、中長期的な企業価値の向上が求められるようになっています。

※ESG経営:「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」が重視された経営

人的資本経営のポイントをまとめた伊藤レポート

「レポート」のイメージ_複数の書類やデータを前に、話し合っている人の手元

人的資本経営を現場で実践するためのポイントは、経営産業省による資料「人材版伊藤レポート2.0」に「3P・5Fモデル」としてまとめられています。人材の「材」は「財」であるという認識のもと、持続的な企業価値の向上と人的資本について議論した内容が書かれています。

伊藤レポートでは「人的資本」の重要性を認識し、人的資本経営をどう実践に移していくのかへのアイデアや、企業や個人の大きな環境の変化に対する今後のアクションの羅針盤となる変革の方向性を提示。また、経営陣や取締役会、投資家が果たすべき役割や、人材戦略に求められる3つの視点と5つの共通要素について書かれています。

3つの視点と5つの共通要素は以下の通りです。

【3つの視点】

  • 経営戦略と人材戦略の連動
  • As is-To beギャップの定量把握
  • 企業文化への定着

【5つの共通要素】

  • 動的な人材ポートフォリオ
  • 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
  • リスキル・学び直し
  • 従業員エンゲージメント
  • 時間や場所にとらわれない働き方

人的資本経営取り組みのメリットは?

「MERIT」のイメージ_木製ブロックにMERITとプリントされている様子

経済産業省によると、人的資本経営の目的は、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげることだとしています。ここでは、人的資本経営のメリットについて解説していきます。

生産性が向上する

人的資本経営では、人材に対してスキルアップや健康のために投資をします。そのため、従業員が必要なスキルを得たり、健康を維持したりすることが可能です。人的資本経営の考えを取り入れて人材を大切にすれば、自社の従業員がスキルアップし健康になるため、満足度も高まっていくでしょう。自社に対する満足度が高まれば、当然ながらモチベーションもアップし、生産性も上がっていくはずです。

企業イメージの向上・投資を受けられる可能性拡大

人的資本経営に取り組んでいる企業には、投資家も好印象を抱くことでしょう。人的経営に取り組んでいる企業は生産性も高く、今後も成長していくと期待できるからです。

最近ではESG経営が重視されていることからも、人的資本経営に取り組めばESG投資家たちから高く評価されると考えられます。また、クリーンなイメージをもたれるため、投資を呼び込む可能性も高いといえるでしょう。

人的資本経営の取り組みの具体例は?事例をご紹介

人的資本経営に取り組みたいけれど、どのような施策をすれば良いかわからない方も多いでしょう。ここでは、人的資本経営の取り組みの具体例を紹介していきます。

旭化成の事例

旭化成では人財の量と質を事業軸と機能軸から洗い出し、経営戦略の実現に必要な人財ポートフォリオ作成に取り組んでいます。このポートフォリオに基づき、人材の採用や社内人材の育成を実施。

自社独自のエンゲージメント調査を実施しており、職場環境や社員の活力を把握し、メンバー間での対話を通してより良い職場づくりを目指しています。また、高い専門性を持ち、活躍が期待される人材を「高度専門職」とし、その人数を毎年増加させています。

オムロンの事例

オムロンでは、社員が自ら考え、動くことで企業理念の体現、浸透を企図しています。グローバルコアポジションを狙う経営人財の育成にも力を入れており、適切な人財を発掘し、配置・育成を行っています。

「持続可能なエンゲージメント指標」を活用し、スコアのモニタリングをするとともに、社員の声を活用し経営課題を把握。また、社員のスキルや経験・志向を見える化することで、適切な人材配置の実現や仕事への充実・成長を感じてもらうのに役立てています。

花王の事例

花王では、人財を会社の「最大の資産」と考え、社員一人ひとりが持つ可能性を引き出し、活かすことを目指しています。KPIによる目標管理ではなく、挑戦と連携を重視したOKRを導入している点が特徴です。OKRは対話によりブラッシュアップされ、自分の目標がどのように組織全体に繋がっていくのかを確認しながら活動していけるようにしています。

また、各部門の人事やD&I(※)推進部などが連携し、障がいのある社員や女性社員の活躍推進について意見交換を行い、「D&I視点の人財開発」を推進中です。

※D&I:多様性を認め、受け入れて、活かすこと

三井化学の事例

三井化学では、経営計画に連動した人材戦略を策定しています。2021年には「人材の獲得・育成・リテンション」「従業員エンゲージメント向上」「グループグローバル経営強化」を優先課題と特定し、実施すべき方策を明確化・開示しています。

「経営者候補」や「キータレント」を特定し、評価・育成にも取り組んでいるそうです。また、社員エンゲージメント調査の実施により、組織としての強みや課題の把握、グローバルでの改善施策実行に繋げています。

ロート製薬の事例

ロート製薬では、社会が求めるWell-beingを軸に価値創造していくことを目指し、人財登用や育成など人財マネジメントを体系化しています。企業の存在意義を浸透させるために、社員と積極的に対話も行っています。

社員の自発的なチャレンジ支援も積極的に行っており、社外チャレンジワーク(副業)、社内ダブルジョブ(兼務)といった制度も作成してきました。また、社員の自発的な学びを促進するため、オンラインを活用した学びのプラットフォームを設立しています。

人的資本経営の取り組みならHELPO

人的資本経営について書かれた人材版伊藤レポートの中には、人的資本経営を推進するにあたって「健康経営の投資に戦略的かつ計画的に取り組む。その際、社員のWell-being を高

めるという視点も取り込んでいく。」との記載があります。

人的資本経営では、従業員が心地よく長く働いていくための健康維持への施策も欠かせません。人的資本経営のために従業員の健康を維持するには、ヘルスケアアプリ「HELPO」がおすすめです。HELPOは、スマホで手軽に利用でき、24時間365日いつでも医師や看護師、薬剤師とチャットできます。HELPOがあれば、不安に思ったときにすぐ相談できるため、従業員の安心感にも繋がります。また、健康維持に役立てることも可能です。人的資本経営を行う一歩として、ぜひ導入を検討してみてください。

人的資本経営の取り組みにチャレンジしましょう

人的資本経営は、人材を「資本」として捉え、その人の価値を最大限に引き出す手法です。人的資本経営により従業員の満足度が高まり、結果的に企業の生産性を上げることに繋がります。

近年では働き方が多様化しただけでなく、人材の働き方への考えが変化しています。例えば「プライベートを重視したい」「家で仕事したい」などが挙げられるでしょう。そのため、企業に魅力を感じてもらえるような人的資本経営がいっそう求められるはずです。しかし、すぐに完璧な人的資本経営はできないため、できることから少しずつ対策していく必要があります。手軽にできる人材経営の取り組みとしてぜひ、HELPOの導入を検討してみてください。

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