メンタルヘルス・マネジメント検定とは?概要や難易度、勉強方法などを解説

メンタルへルス・マネジメント検定試験は、職場での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアの知識や対処法を身に付けることを目的とした検定試験です。職場におけるメンタルへルス対策が企業の重要課題のひとつとなっている今、メンタルへルス・マネジメント検定試験などを通じて学びを深めたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、メンタルへルス・マネジメント検定試験の概要や難易度、勉強方法などについて解説します。メンタルへルス・マネジメント検定試験に興味のある方は、ぜひ参考になさってください。

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メンタルへルス・マネジメント検定試験とは

「試験」のイメージ_分類された書面を見る女性の手元

メンタルへルス・マネジメント検定試験は、大阪商工会議所が主催する民間資格で、働く人の心の健康維持・向上を目的とした内容が特徴です。試験制度は、企業経営者から一般社員まで幅広い層に向けられており、自分や他者のストレス対策を学ぶ機会として注目を集めています。

学歴や年齢などによる受験資格に制限がないため、どなたでも挑戦しやすいのが魅力です。実際にここで得た知識をきっかけに、組織改革や自分自身のセルフケアを実践している受験者も多く、職場づくりやキャリアアップに繋げやすい資格となっています。
ここでは、メンタルへルス・マネジメント検定試験の概要や合格するメリットについて解説します。

職場で必要なメンタルヘルスケアの知識や対処方法を習得する

メンタルへルス・マネジメント検定試験は、職場におけるメンタルへルス不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指し、職場で必要なメンタルヘルスケアの知識や対処方法を習得することを目的とした検定試験です。
たとえば、コミュニケーションによる早期発見や産業医との連携など、職場で役立つスキルを身につけられるのが大きなポイントです。

近年では仕事や職業生活によるストレスからメンタルへルス不調となり、休職や離職に至るケースが増加しています。従業員の心の健康を守るためにも、労働生産性の維持・向上のためにも、職場のメンタルへルス対策は企業にとって重要な課題です。

このような現状を踏まえ、厚生労働省は「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(2006年策定、2015年改正)を定めています。メンタルへルス・マネジメント検定試験はこの指針に基づく内容で、大阪商工会議所と施行商工会議所が実施している試験です。

心の不調を防ぎ、活力ある職場づくりに役立つ  

メンタルへルス・マネジメント検定試験は学歴や年齢、性別、国籍、実務経験などによる制限はなく、企業の一般社員から経営幹部まで職場内の役割に合ったコースで知識や対処方法を学べます。

メンタルへルス・マネジメント検定試験によって学びを深めることで、自身のメンタルへルスを上手にケアできるようになるでしょう。部下がいる場合には、部下の不調に早期に気付いてサポートするなど、部下のメンタルへルスケアや職場環境の改善に知識を生かせます。

また、企業にとって重要な課題であるメンタルへルスの知識を身に付けることはスキルアップに役立ち、組織内での評価向上につながることも期待できるでしょう。

不調を早期にケアできれば、組織全体の離職率低下や生産性向上にも貢献します。管理職やリーダー層が知識を身に付けることはもちろん、社員全員の意識が高まることも大切です。

メンタルへルス・マネジメント検定試験の3つのコース  

「学び」のイメージ_本とペンとドリンク

メンタルへルス・マネジメント検定試験には3つのコースがあり、いずれのコースからでも受験可能です。ここでは、公式サイトの情報をもとに、メンタルへルス・マネジメント検定試験の3つのコースの対象や目的、出題内容について解説します。

Ⅲ種(セルフケアコース)

一般社員を対象として、従業員自身によるメンタルヘルス対策を推進するためのコースです。セルフケアは、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」においても、継続的かつ計画的に行うことが望まれるケアのひとつとされています。

このコースの目標は、従業員が自らのストレスを適切に把握して不調にいち早く気付くとともに、セルフケアの実施や必要に応じて周囲に助けを求められるようになることです。試験時間は2時間、出題形式は選択問題となっており、以下のような内容が出題されます。

  1. メンタルヘルスケアの意義
  2. ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
  3. セルフケアの重要性
  4. ストレスへの気づき方
  5. ストレスへの対処、軽減の方法
  6. 社内外資源の活用

Ⅱ種(ラインケアコース)

管理監督者(管理職)を対象に、上司による部門内や部下のメンタルへルス対策を推進するコースです。職場のメンタルへルス対策において管理監督者によるケア(ラインによるケア)は非常に重要であるとされており、管理監督者は部下の異変に気付き、適切なフォローをすることが求められます。

このコースの目標は、部下のメンタルへルス不調に対して日頃から配慮し、不調がみられた場合には安全配慮義務に則った対応ができるようになることです。試験時間は2時間、出題形式は選択問題であり、以下のような内容となっています。

  1. メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割
  2. ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
  3. 職場環境等の評価および改善の方法
  4. 個々の労働者への配慮
  5. 労働者からの相談への対応 (話の聴き方、情報提供および助言の方法等)
  6. 社内外資源との連携
  7. 心の健康問題をもつ復職者への支援の方法

Ⅰ種(マスターコース)  

人事労務管理スタッフや経営幹部を対象とし、社内のメンタルへルス対策推進を目的とするコースです。自社の人事戦略や方針を踏まえ、メンタルへルスケア計画や産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等の企画・立案・実施ができるようになることがこのコースの目標となっています。

試験は選択問題が2時間、論述問題が1時間の合計3時間で実施され、出題内容は以下の通りです。

  1. 企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
  2. メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
  3. ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
  4. 人事労務管理スタッフに求められる能力
  5. メンタルヘルスケアに関する方針と計画
  6. 産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
  7. 相談体制の確立
  8. 教育研修
  9. 職場環境等の改善

(参考: 『メンタルへルス・マネジメント検定試験 試験のご紹介』)

メンタルへルス・マネジメント検定試験の難易度

「試験」のイメージ_マークアップテストをしている様子

メンタルへルス・マネジメント検定試験は、コースによって合格基準や合格率が異なります。合格率は変動があるものの、Ⅲ種、Ⅱ種、Ⅰ種の順に合格率が下がり、難易度が高まるといえるでしょう。ここでは、公式サイトで公開されているデータから、各コースの実受験者数・合格者数・合格率を紹介します。

Ⅲ種(セルフケアコース)の合格基準と合格率

公式サイトによると、このコースの合格基準は100点満点中70点以上の得点です。公開されているデータのうち、直近の実受験者数・合格者数・合格率を以下に紹介します。

  • 第38回( 2025年3月16日(日)実施)
    実受験者数:5,341人 合格者数:4,157人 合格率:77.8%
  • 第37回( 2024年11月3日(日)実施)
    実受験者数:5,060人 合格者数:3,758人 合格率:74.3%
  • 第36回( 2024年3月17日(日)実施)
    実受験者数:4,648人 合格者数:3,353人 合格率:72.1%

Ⅱ種(ラインケアコース)の合格基準と合格率

 同じく公式サイトによると、このコースの合格基準も100点満点中70点以上の得点です。公開されているデータをみると受験者数はⅢ種(セルフケアコース)より多く、直近では1万人を超える人が受験しています。

  • 第38回( 2025年3月16日(日)実施)
    実受験者数:12,745人 合格者数:6,985人 合格率:54.8%
  • 第37回( 2024年11月3日(日)実施)
    実受験者数:11,802人 合格者数:7,141人 合格率:60.5%
  • 第36回( 2024年3月17日(日)実施)
    実受験者数:12,483人 合格者数:9,137人 合格率:73.2%

Ⅰ種(マスターコース)の合格基準と合格率

 このコースは選択問題が100点満点、論述問題が50点満点となっており、両者の合計得点が105点以上かつ論述問題の得点が25点以上であることが合格基準とされています。

なお、ほか2つのコースが年に2回実施されるのに対し、Ⅰ種(マスターコース)のみ年1回の実施です。公開されている直近のデータは以下の通りとなっています。

  • 第37回( 2024年11月3日(日)実施)
    実受験者数:1,731人 合格者数:362人 合格率:20.9%
  • 第35回(2023年11月5日(日)実施)
    実受験者数:1,587人 合格者数:325人 合格率:20.5%
  • 第33回( 2022年11月6日(日)実施)
    実受験者数:1,628人 合格者数:287人 合格率:17.6%

(参考: 『メンタルへルス・マネジメント検定試験 結果・受検者データ』)

メンタルへルス・マネジメント検定試験のための勉強方法  

「勉強」のイメージ_ノートに目をとっている女性の手元

メンタルへルス・マネジメント検定試験に挑戦したいと考えている方の中には、どのように対策をすればよいか分からないという方もいるかもしれません。メンタルへルス・マネジメント検定試験に向けた勉強方法としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

独学する

独学のメリットは、テキストや問題集を使いながら自分のペースで進められることです。忙しい社会人でもスキマ時間を活かして学べるため、多くの受験者がこの方法を選んでいます。

特にⅢ種やⅡ種の場合は、該当分野の知識がある程度頭に入っていれば短期間で知識を整理しやすいでしょう。ただし、学習範囲をあいまいにすると試験対策が漏れがちなので、計画的な勉強が欠かせません。

独学中に疑問点があれば、公式ホームページや関連書籍を参照したり、同じ試験を受ける仲間と情報交換するのも一つの方法です。自宅学習だけでなく、カフェなど気分転換できる場所を利用してモチベーションを保つことも大切です。

オンライン講座などを受講する   

オンライン講座などを利用して学習するのも良い方法です。メンタルへルス・マネジメント検定試験の受験対策講座として、大阪商工会議所やその他の商工会議所が主催のオンライン講座やオンラインセミナー、集合講座が開催されています。これらを受講することで、より効率的に学習できるでしょう。

また、各社が提供している通信講座を利用するのも一案です。これらは独学が苦手な方には心強い味方となりますが、費用の負担は独学より大きくなります。

(参考: 『メンタルへルス・マネジメント検定試験 受験対策講座』)

メンタルへルス・マネジメント検定試験の試験日

メンタルヘルス・マネジメント検定は原則として年2回程度実施され、Ⅰ種は秋頃、Ⅱ種とⅢ種は春と秋あたりに集中して行われるのが一般的です。受験を検討している方は、大阪商工会議所の公式サイトなどをチェックして詳細な日程や会場を確認しましょう。

試験実施日が決まったら、逆算して勉強スケジュールを立てることが大切です。特にⅠ種を受験する方は論述対策を念入りに行う必要があるため、早めの準備を心がけると安心です。

また、受験料や申し込み期限についても事前に把握しておくと、スムーズに手続きが進みます。日程や申込期間を見逃さないように注意しましょう。

(参考: 『メンタルへルス・マネジメント検定試験 受験要項 公開試験』)

職場で生かせるそのほかのメンタルヘルスケア関連資格

「相談」のイメージ_笑顔で話をしている女性と話を聞く管理職の女性

メンタルヘルス・マネジメント検定試験以外ので職場で生かせるメンタルヘルスケア関連資格として、以下のようなものが挙げられます。ただし、いずれも受験のためには一定の要件を満たしている必要があり、メンタルへルス・マネジメント検定試験と比べると受験のハードルがやや高いといえるでしょう。

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、心理的手法を用いて職場のメンタルへルス対策やキャリア開発、人間関係開発の援助を行うカウンセラーです。一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定している資格試験であり、試験に合格し協会に登録した人のみが産業カウンセラーを名乗ることができます。

試験を受けるためには、日本産業カウンセラー協会が実施している養成講座を受講するか、大学や大学院研究科で特定の専攻を修了しているなどの要件を満たしていなければなりません。

(参考:2024年度産業カウンセラー試験を受験される方へ|一般社団法人 日本産業カウンセラー協会』)

心理相談員

特別民間法人中央労働災害防止協会が認定する資格です。認定試験は行われず、協会が実施している研修を修了し、職場のメンタルヘルス対策に必要な知識や心身両面に配慮した健康づくりについて学んだ人が心理相談員として登録できます。

研修は動画事前学習と2日間の集合研修という内容になっており、衛生管理者や保健系国家資格、産業カウンセラーの資格を持つ人など、協会の定める要件を満たす人のみが履修可能です。

(参考: 『中災防 心理相談専門研修』)

メンタルケア心理士

メンタルケア心理士は、日本学術会議協力学術研究団体メンタルケア学術学会が認定する資格です。医療や福祉、教育、産業、公共サービスなどでの相談援助や心理カウンセリングなどで求められる基礎能力を持つことを証明する資格であり、ジョブ・カードにも記載できます。

メンタルケア心理士に資格登録するためには「こころ検定2級」の合格が必須であり、さらに学会指定の教育機関でメンタルケア心理士教育課程を修了するか、認定心理士の資格を保有しているなど所定の要件を満たしていることが必要です。

(参考: 『メンタルケア学術学会 真のメンタルケアへの追求』)

職場のメンタルへルスケアには「HELPO」がおすすめ 

メンタルへルス・マネジメント検定試験などを通じて従業員一人ひとりが職場のメンタルへルスに関する知識や対処方法を学ぶことは、メンタルへルス不調の未然防止に役立ちます。こうした知識の習得に加え、メンタルへルス不調の早期発見におすすめなのが、ヘルスケアアプリHELPO(ヘルポ)です。

HELPOは身体だけでなくメンタルの不調についても、24時間365日チャット形式で気軽に医療専門チームに相談できます。メンタルへルスに不安がある従業員をいち早くサポートでき、メンタルへルス不調による休職や離職の防止につなげることが可能です。

まとめ

「勉強」のイメージ_微笑みながらノートにメモを取っている女性

メンタルへルス・マネジメント検定試験は、一般社員、管理監督者(管理職)、人事労務管理スタッフや経営幹部という職場内の役割に合ったコースで必要な知識を習得できるのが特徴です。興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

ヘルスケアアプリHELPOは、従業員誰もがいつでも気軽に心身の不調を相談できるチャット形式のサービスです。一人ひとりがメンタルへルスの正しい知識を身に付けることに加え、HELPOを上手に活用いただくことで、職場のメンタルへルス対策をより強化できるでしょう。

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