更年期の基礎知識 ~更年期の仕組みを知って次のステージに備えよう

更年期って一体どんなものでしょうか。言葉はよく聞くけれどなんだかよくわからない、なんとなくマイナスなイメージがあるという方も多いかもしれません。
今回はそんな更年期についてお話をしたいと思います。程度の差はあれ、誰もが経験する可能性のある更年期について確認してみましょう。
(この記事では主に女性の更年期について記載しています)

※本ページの記事は、女性の健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

更年期、その原因は?

更年期とは、閉経前後の5年間を合わせた約10年間のことで、その期間に現れる様々な症状を「更年期症状」と呼びます。その中でも症状が重く、日常生活に支障がでてしまう状態を「更年期障害」と言います。
代表的な症状は、ホットフラッシュと呼ばれるほてりやのぼせですが、その他にもめまいや動悸、腰痛、疲れやすさ等の体の症状、気分の落ち込みやイライラ、不眠など心の症状がみられ、多種多様です。重要なのは、他の病気によって起こる症状ではないという点です。

更年期は、肉体的に女性として成熟した状態の性成熟期から、次のステージに移る期間で、女性ホルモンの量が変動しながら徐々に減っていきます。この女性ホルモンのゆらぎ(低下)が更年期症状の主な原因ですが、もともとの体の状態やご自身の性格も関係します。また、この時期には人によってはパートナーの定年や子どもの独立といった大きなライフイベントが起こることもあり、人間関係を含むこうした社会的な要因も影響すると考えられています。

ちなみに閉経したかどうかは、「今日で閉経した!」とすぐにわかる訳ではありません。一般的に閉経が近づくと生理は不規則になり、3~6か月の間隔になる場合もあります。このため、正確には1年間生理がないことを確認した上で、振り返って閉経と判断します。

更年期の治療は?どう向き合えばいいの?

治療の話をする前に改めて確認したいのは、更年期障害は他の病気によって起こる症状ではないという点です。更年期障害の診断・治療は不調の原因が他にないことを確認してから始まります。と言うのも、例えば甲状腺の病気などでも更年期障害と似た症状が起こることがあるからです。他に原因となる病気が見つかればその治療を優先することで、症状の解消だけでなく病気が悪化するのを防ぐことが期待できます。このため、症状が続いている、もしくは良くならない場合には「更年期だろう。」と自己判断したり、放置したりせずに受診をすることが大切です。

治療ですが、代表的な症状であるホットフラッシュ(のぼせやほてり)にはホルモン補充療法が有効とされています。また、女性ホルモンが低下すると動脈硬化や骨粗しょう症などのリスクが上がるため、予防目的としてもホルモン補充療法を行うこともあります。その他、体の不調を取り除くために漢方を使ったり、精神的な症状が強い場合には抗不安薬などを使用したりすることもあります。薬を処方する以外では、更年期障害は精神的、社会的な要因も重なって起こるものなので、ストレスを発散することも重要です。

初めにも少しお話しましたが、更年期は老年期という次のステージに移るための準備期間とも言えます。老年期というとあまり良い印象がないかもしれませんが、誰にでも訪れる言わば人生の最終ステージです。人生100年時代といわれる現代において、そのステージを健康で幸せに過ごせることには大きな意義があります。そのためにも老年期を迎える前に、ご自身に合った健康的な生活習慣やストレスの解消方法を身に着けておくことが大切です。このように考えると更年期は、自分の体の状態を改めて確認し、より良い生き方をみつけるための期間、チャンスと言えるかもしれません。

気軽に相談をしてみたいな、という場合はHELPOの健康医療相談チャットも是非ご活用ください。HELPO

(参考文献)
日本産婦人科学会. “更年期障害”. 公益社団法人 日本産婦人科学会. (参照 2022-12-13).

岡井崇・綾部琢哉 (編). “更年期障害”. 標準産婦人科学. 第4版. 医学書院, 2017, p.196-199.

(クレジット)
著作/ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
文/医師 日向 拓也