更年期は怖いもの? ~30代からできる更年期対策と症状の緩和方法

更年期を迎えるにあたって、漠然と不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
症状や対処法を理解しておくことは今後の不安が軽減するだけでなく、生活習慣を見直す良い機会です。
今回は、更年期を迎えるにあたって気を付けるべきポイントをお伝えします。

※本ページの記事は、病気・妊娠・出産に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

更年期とは?

更年期症状は、女性ホルモンの低下や加齢、ストレスなど様々な要因が重なって生じると考えられています。
そのため、更年期の症状は数百種類にも及ぶと言われており、症状や発症年齢にも個人差が大きいことが特徴です。

※上記の症状は個人差があり、全員に出るものではありません。更年期自体についてはこちらのコラムも参考にしてください。

日常で行える対策

更年期は心身のバランスが乱れやすい時期であるため、健康的な土台を作ることが大切になります。
健康的な土台作りのためにも今から生活習慣を改善し、自律神経を整えるように取り組んでいきましょう。

  • 食事
    「主食・主菜・副菜」を意識して食べるだけでも栄養バランスの取れた食事に近づきます。さらに更年期の時期は体の代謝機能も落ちているため、カロリーコントロールも重要です。
    自分にどの栄養素が足りないかを具体的に知りたい場合は、農林水産省の「食事バランスガイド」が参考になります。1日に何をどれだけ食べたらよいか、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示されています。
    そのほか、大豆に含まれている大豆イソフラボンや牛乳などに含まれるカルシウム(以下Ca)は積極的に摂りたい栄養素です。大豆イソフラボンは女性ホルモンによく似た働きをするといわれ、Caは骨の健康の維持に役立ちます。ただ、Caは摂りすぎることにより便秘や吐き気などの症状が出てしまうことがあります。日本人の食生活を考えると、上限量(2500㎎/日)を超えることはほとんどないですが、サプリメントなどでCaを摂取している場合には注意が必要です。
  • 運動
    有酸素運動は自律神経のバランスを整え、呼吸器や循環器にも良い刺激を与えることが分かっています。
    また、運動を行うことで爽快感を味わうことができ、ストレスの発散やリラックス効果を得られ、睡眠リズムを整える効果も期待できます。ウォーキングや水泳などを無理のない範囲で楽しく日常生活に取り入れていきましょう。
  • 検査
    卵巣年齢の目安を測る「AMH検査」なども参考に、ご自身の状態をチェックする事も有効です。

更年期症状かも?と感じたら

症状が続き、日常生活に支障が出てくる場合を「更年期障害」といいます。更年期障害には明確な診断基準はなく、そのほかに考えられる病気を外していくことが必要です。特に甲状腺や子宮のトラブル、うつ病などは同じような症状を示すことが多いため、問診のほか、血液検査や子宮・卵巣の検査を行うことで診断していきます。

そのため、症状が続き不安を感じる場合はまずは「婦人科」へのご受診をお勧めします。

治療法としては、カウンセリングや運動・食事療法の他、ホルモン補充療法や漢方薬、抗不安薬などのお薬を用いた薬物療法があります。体質や症状に応じて治療法を組み合わせることにより、個々にあった対策を行います。

更年期を迎える前は漠然とした不安を感じるかもしれません。
更年期に起こる症状や体調の変化は対処法や症状について理解が深まれば不調の悪化を防ぐ手助けになります。HELPOでは、更年期を明るく楽しく過ごせるように今後の対策を一緒に考えます。気になること、不安なことがあれば心の拠り所としていつでも健康医療相談チャットにご相談下さい。HELPO

(参考文献)
・農林水産省「食事バランスガイドについて」(閲覧日:2022.12.17)
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020)」(閲覧日:2022.12.17)
・日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 産科編2020」(観覧日:2022.12.17)

(クレジット)
著作/ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
文/薬剤師 栁沼 里嘉子