我慢をしないで! ~注意したい生理の異常

生理の時にみられる症状には個人差がありますが、痛みや出血量は気になりますよね。症状がひどいと会社や学校に行けなくなってしまうこともあり、日常生活にも影響が出てしまいます。それだけでも大変なことですが、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。

今回はそうした注意が必要な生理の異常についてお話をします。

※本ページの記事は、女性の健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

要注意!その生理痛の原因は?

初めにお話しする生理の異常は生理痛ですが、注意が必要なのは他の病気が原因で起こっている場合です。

具体的な病気としては子宮内膜症、子宮腺筋症などがあります。これらの病気では、子宮の内側の膜が増え、子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質の量が増えて子宮が過剰に収縮し、痛みが起こると考えられています。他にも子宮の形の異常などで血液がスムーズに排出できないと収縮が強くなります。このような場合には原因となる病気を治療することが何より重要です。早期に治療を行うことで、生理痛の解消につながるだけでなく、病気の悪化を防ぐことができる可能性があります。

長年我慢をしているとそれが普通だと思ってしまい、もしかしたら「いまさら受診なんて。」と思われる方がいるかもしれません。ただ、病気が原因ではない生理痛は1,2日程度と短い傾向があり、年齢とともに症状が軽くなっていくことが多いとされています。このため、生理痛が長引いたり、よくならずに続いたりしている場合には、一度産婦人科を受診することをお勧めします。

生理痛だけじゃない!生理の量が多い時も要注意!

次は生理の量の異常、なかでも量が多い場合についてです。生理の量が多い状態、具体的には150mLよりも多いものを過多月経と言いますが、量を確認するのは難しいですし、個人差もあるのでわかりにくいですよね。

そこで重要になるのが、生理の期間と血液の状態です。生理の期間が長いということは出血している期間も長く、出血量も多くなっていると考えられます。また、体の仕組みとして血液が固まりにくくなる作用が働いているのですが、過多月経になるとその働きが追いつかず、血の塊ができやすくなると考えられています。

過多月経の原因としては子宮筋腫が多いとされますが、子宮腺筋症や子宮内膜ポリープなども原因となります。これらの病気では生理の際に剥がれる子宮の内側の膜の量が増え、生理の量が増えると考えられます。また、血液が固まりにくくなる病気が原因で出血量自体が増えることもあります。

生理痛と同様、原因となる病気がある場合にはその治療することが何より重要です。このため、生理が長引く(目安としては8日)、血の塊が混ざることを繰り返す場合には一度産婦人科を受診することをお勧めします。

生理は体のサイン。生理の異常と受診のすすめ。

他にも生理の異常としては生理周期(間隔)の異常があり、例えば生理周期が39日以上のものは希発月経、3か月以上生理が停止しているものは無月経と呼ばれます。このような生理周期の乱れは更年期でもみられることがありますが、多嚢胞性卵巣症候群などの病気が原因で若い方にも起こることがあります。いずれにしても、症状だけでは病気が原因なのかの判断はできないため、やはり受診をして原因を調べることは重要です。

繰り返しになりますが、生理に関係した症状には様々な病気が隠れている可能性があります。もちろん、個人差や体調によって変化するものですが、普段のご自身の生理の痛みや量、周期について把握しておくことは重要です。

その上で、日常生活に支障がでている場合はもちろん、今までとは違う症状が見られたり、症状がよくならなかったりする場合には医療機関を受診することをお勧めします。特に症状について一度も相談をしたことがないという方はこれを機にぜひ産婦人科医師の診察を受けましょう。

気軽に相談をしてみたいな、という場合はHELPOの健康医療相談チャットも是非ご活用ください。HELPO

(参考文献)
岡井崇・綾部琢哉 (編). “月経周期と量の異常”. 標準産婦人科学. 第4版. 医学書院, 2017, p.58-61.

(クレジット)
著作/ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
文/医師 日向 拓也