熱中症対策は「努力義務」から「法的義務」へ〜猛暑時代のいま、企業に求められる本質的な健康管理とは 〜

2025年6月の法改正により、職場における熱中症対策は「努力義務」から「義務」へと明確に位置づけられました。これまで各企業の自主的な取り組みに委ねられてきた対策が、法的責任を伴うものへと変わったのです。 

背景には、毎年増加する熱中症による労働災害があります。猛暑の長期化・常態化により、建設業や製造業、運輸業といった屋外・高温環境下の業種だけでなく、オフィス勤務や在宅勤務中の発症も報告され、死に至るケースもあります。熱中症はもはや一部の業界だけの問題ではありません。すべての企業が向き合うべき経営課題の一つです。 

法改正により、企業はWBGT値(暑さ指数)を踏まえた作業管理や、適切な休憩体制の整備、重症化を防ぐための対応手順の策定など、具体的な対策を講じることが求められています。対応が不十分な場合には、行政指導や罰則の対象となる可能性もあります。 

しかし本質的な問いは、「義務だからやる」ことではなく、「どうすれば未然に防げるか」という点にあります。 

出典:厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について」 
https://www.mhlw.go.jp/content/001490909.pdf 

なぜ“注意喚起”だけでは不十分なのか

表面的な対策の限界 

多くの企業ではすでに、水分補給の呼びかけやポスター掲示、休憩時間の設定などを行っています。もちろん、これらは重要な基本対策です。しかし現実には、「体調不良が起きてから気づく」というケースが後を絶ちません。 

熱中症は突然発症するように見えますが、実際にはその前段階にサインがあります。例えば、なんだかだるい、気力が湧かない、めまい、頭が重い気がするなど。こうした小さな変化が積み重なり、ある瞬間に症状として表面化します。 

問題は、その“前兆”を従業員、事業者ともに熱中症の前段階として認識できていないことです。 

見えないリスクが経営に与える影響 

中小企業にとって、従業員一人の離脱や長期休職は大きな痛手です。突発的な欠勤は現場の負担を増大させ、生産性の低下や士気の低下にもつながります。さらに労災認定となれば、企業の信頼やブランドにも影響を及ぼしかねません。 

つまり熱中症対策は、単なる安全配慮義務ではなく、「組織の持続性」を守るための取り組みでもあるのです。 


義務化時代に求められる“早期対応”という視点 

ポイントを表現するイメージ

重症化を防ぐ鍵は「初期段階」 

義務化によって設備やルール整備は進むでしょう。しかし本質的な予防には、体調の小さな変化に本人や周りが気づき、早い段階で適切に対処する仕組みが欠かせません。 

実際には、「この程度で相談してよいのか」「忙しい中で申し出にくい」といった心理的ハードルにより、従業員が気合で乗り越えようとするケースもあります。その結果、症状が進行し、重症化してから問題が表面化するのです。 

専門家に“すぐ相談できる”環境づくり 

そこで重要になるのが、従業員がいつでもどこでも医療従事者に相談できる環境です。 

CareConは、チャット形式で医療従事者に気軽に相談できるサービスです。めまいや倦怠感、頭痛など、「まだ業務はできるが気になる」といった段階で相談できるため、適切な対処方法を早期に知ることができます。こうした早期対応の積み重ねが、熱中症の重症化防止につながります。 

さらにCareConは、今後50名以下の事業所にも対応が求められるストレスチェックにも対応しています。身体面だけでなく、メンタルヘルスの状態も把握し、必要なケアへとつなげることが可能です。 

身体と心の両面から従業員を支える体制を整えること。それは単なる法令対応を超え、安心して働ける環境づくりへの投資でもあります。 

持続可能な組織づくりに向けた第一歩として、従業員を守る手段を見直してみてはいかがでしょうか。 


この記事の監修者:健康経営エキスパートアドバイザー 藤井 七実


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