人的資本経営の具体事例10選。大企業を中心とした代表的な事例をご紹介

人材を企業の「資本」と捉え、個人のスキルや能力などの価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値向上へ繋げる経営手法を「人的資本経営」と言います。「人的資本経営」の大切さは理解していても、具体的にどのようなことを行えば良いかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、人的資本経営の意味と、企業の具体事例を紹介していきます。人的資本経営を行おうと考えている経営層・人事部の方はぜひ参考にしてみてください。

人的資本経営とは?

【疑問】のイメージ_クエスチョンマークの模型

人的資本経営とは、組織において人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことを目的とした経営手法です。人的資本は組織の人材の知識や経験、スキル、能力、モチベーション、リーダーシップなど、人間が持つ形のないものを指します。

人的資本経営の目的は、組織の成長や競争力の向上に繋がる優秀な人材を確保し、その人が持つ能力を最大限に引き出すことです。具体的には、組織において人材の育成・開発、キャリアパスの設計、報酬制度の設計、労働環境の整備などを行います。その結果、人材の能力やモチベーションが高まり、組織の生産性や競争力の向上が可能になります。

人的資本経営の具体事例10選

【提案】のイメージ_女性が手を横に向けている様子

人的資本経営の意味が理解できても、具体的にどのような取り組みを行えば良いかわからない方もいるのではないでしょうか。ここでは企業の具体事例を紹介します。

ロート製薬

ロート製薬では個人・会社両方の成長を掲げた取り組みを行っており、「個の主体性を基軸にしたWell-being経営」を掲げています。具体的な施策として、業績だけで社員を評価せず、世の中に提供した価値で評価する「ロートバリューポイント」という制度を作りました。

また、従業員に「自律的な思考」を培ってもらうため、副業を支援する「社外チャレンジワーク制度」や「社内ダブルジョブ制度」、社内起業家を支援する「明日ニハ」といったプロジェクトを実施しています。

損害保険ジャパン

損害保険ジャパンでは、「自分自身の人生の意義」「働く意義」を指す「MYパーパス」を軸にした経営を行っています。SOMPOのパーパスとMYパーパスを重ね合わせて働くことで従業員が内発的に行動でき、かつエンゲージメントが高く働けるようにしているそうです。

また、2020年にはオンライン中心の企業内大学「損保ジャパン大学」を設立。社員一人ひとりが自ら学び、考え行動し、成長し続けられるようにしています。

リクルート

リクルートでは、「人材価値の向上」「人材価値の活用」「人材価値の循環」にこそ投資していくべきだという考えのもと、人的資本経営に取り組んでいます。採用の段階から、対話を通してその人の強みを活かせるような舞台を提供できるようにしているそうです。

また、人材が持つスキルや知識・経験を企業の価値に繋げるための仕組み作り、人材が最も活きるような適材適所の実現、定期的なエンゲージメント測定により従業員の状況やチームワークにおける懸念点を解消するなど、さまざまな取り組みを行っています。

豊田通商

豊田通商では、「人権を尊重し、人を育て、活かし、『社会に貢献する人づくり』に積極的に取り組むこと」を重要課題のひとつに掲げ、グローバルな視点で事業創造できる人材、世界の市場で活躍できる人材の育成に注力しています。

具体的には、海外語学研修や若手海外派遣、グローバルリーダーの育成を行っています。他にも、新規事業創出のために社内公募を行い、社内審査を通過した社員がサポートを受けながら事業化していくプロジェクトなども実施しているそうです。

キリンホールディングス

キリンホールディングスでは、従業員に多様な事業経験を積ませるとともに、マーケティングや研究開発、ICT(情報通信技術)といった専門性を高めることで、多様性と専門性を備えた人材育成に取り組んでいます。

また、経営を担う人材育成のため社長塾やエグゼクティブコーチングなどを実施。他にも、女性リーダー育成研修や障がい者の定着・活躍支援、健康経営の推進などさまざまな取り組みを行っています。

村田製作所

村田製作所では、「人材の獲得と育成」「エンゲージメント」「多様な人材の活躍」の3つを重要課題として掲げています。具体的には、人材育成や経営層と従業員の対話促進、働きやすい環境や制度の整備、女性活躍促進といったさまざまな施策を行っているそうです。

人材育成としては長期のキャリア形成を前提に、ローテーション実施や専門性の能力開発、従業員一人ひとりの能力・専門性に応じた公正な機会を提供しています。

オリックス生命

オリックス生命では、「戦略的人材ポートフォリオの実現」をテーマとして掲げています。テーマの実現のためには、社員一人ひとりが自律的・能動的に能力を高めていかなければなりません。マネージャーが部下の成長をサポートできるよう、マネージャー全員に対して傾聴とフィードバックの研修をオンラインで実施。

また、必要な専門知識や業務経験を示したモデルキャリアパスの作成や、活躍している社員のキャリアの考え方などを語る動画の配信といったキャリア形成支援策も整備しています。

サイバーエージェント

サイバーエージェントでは、適材適所を実現する「キャリアエージェント」という仕組みを作っています。具体的には、社員のコンディションやキャリア志向などを把握するためのアンケートを毎月1回実施し、適材適所を図ったり業務量の改善をしたりするといった課題解決に取り組んでいます。

また、希望する他部署やグループ会社への異動にチャレンジできる社内移動公募制度「キャリチャレ」や、インタビュー形式で各部署の仕事内容を伝える動画コンテンツ「キャリテレ!」の作成なども行い、適材適所が叶うような取り組みを積極的に行っているそうです。

日立製作所

日立製作所では、経営リーダーの選抜・育成のためにCEO候補者へのメンタリングや研修の実施、デジタル人材の確保・育成のために外部からの採用や社内人材の育成を行ってきました。

社員一人ひとりの強みやキャリア志向を踏まえた育成・配置を検討、さらに職務の見える化により適材適所の実現を可能にしています。また、キャリア志向に合わせた学びやリスキルを支援できるようなモバイルアプリを活用した研修コンテンツを導入しているそうです。

ダイキン工業

ダイキン工業では、大阪大学や東京大学など、複数の大学と連携してオープンイノベーションの取り組みを行うことで、人材育成を行っています。また、学び直しの重要性にも注目しており、従業員が自由に学び直しができるよう、サバティカル休暇制度を設けて従業員が学び直しに集中できるような体制づくりにも取り組んでいます。。

人的資本経営に活用できる「HELPO」

【ポイント】のイメージ_ポイントのハンドサインをしている白衣の女性

人的資本経営を行う場合には、人材の健康維持の施策も重要です。健康な身体と精神がなくてはモチベーションも上がらず、スキルを身に付けようという気持ちも持てなくなってしまうでしょう。人的資本経営の施策のひとつとして、従業員の健康をサポートするのにおすすめなのが、ヘルスケアアプリ「HELPO(ヘルポ)」です。

「HELPO」は24時間365日、いつでも医師や看護師、薬剤師にチャットで相談できるスマホアプリです。「HELPO」があれば不安があった時や症状が出た時にすぐに相談できるため、従業員の安心感にも繋がります。病院に行けない場合は「HELPO」のオンライン診療を受けることも可能です。人的資本経営を行うための施策として、ぜひ導入を検討してみてください。

人的資本経営の具体事例を参考に

人的資本経営の具体事例を紹介してきました。人的資本経営を行えば従業員のスキルアップや成長に繋がり、生産性向上が期待できます。また、適材適所で仕事ができれば従業員の満足感も上がるでしょう。人的資本経営を行うことで、企業にもさまざまなメリットをもたらします。

人的資本経営の土台として、従業員の健康サポートは欠かせません。人的資本経営の施策のひとつとして、ぜひ「HELPO」の導入を検討してみてください。

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