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良い福利厚生の基準は?従業員にとってあると嬉しい福利厚生
企業が提供する福利厚生は、従業員の働きやすさやモチベーションの向上に大きく影響します。では、どのような福利厚生が“良い”とされるのでしょうか?
ここでは、福利厚生が良い会社ランキングやユニークな福利厚生のある会社をはじめにご紹介しながら、福利厚生が良いとされる基準や、法定福利・法定外福利の違い、平均的な費用など、魅力的な福利厚生を導入するためのヒントを解説します。


本記事は健康経営エキスパートアドバイザーの中島利保さんによる監修を受けています。
目次
福利厚生が良い会社ランキング
近年、各メディアや専門サイトなどで公表される“福利厚生が良い会社ランキング”に注目が集まっています。
2023年版「CSR企業総覧(雇用・人材活用編)」の有給休暇取得率データをもとに、東洋経済オンラインが作成した「有給休暇の取得率が高い」200社ランキングでは、DMG森精機やトヨタ車体、クボタ、ホンダ、エイチワンといった企業名が上位に挙げられています。これらの企業では、有給休暇の取得促進や健康保険組合を通じた医療支援に加え、独自の手当や育児・介護休業制度を充実させるなど、多種多様な取り組みが行われています。
こうした取り組みは、単に給与面だけではなく、従業員のライフスタイルをトータルでサポートする姿勢を打ち出すことで高く評価されています。有給休暇の付与や手厚い保険制度だけでなく、社宅や食堂補助などの活動が、会社全体の雰囲気を良くする大きな要因ともなっています。
福利厚生が良い会社としてランキングに選ばれる企業の多くは、従業員が長く働ける環境を重視している点に特徴があります。社会的信用の向上はもちろん、人材の定着や採用力アップにも繋がりやすいため、このような施策を拡充する企業は今後さらに増えていくと考えられます。
ユニークな福利厚生のある企業
近年は特定の社員ニーズに合わせたユニークな福利厚生を取り入れる企業が増えており、最近では女性特有のニーズに応える支援制度が注目を集めています。生理休暇のほか、妊娠・出産や育児分野のサポートを強化する企業も増え、従業員一人ひとりのライフステージに合わせた柔軟な働き方を提供するケースが見られます。
また、社員間のコミュニケーションを重視する企業では、飲食費補助やイベント参加費支援などを設ける例もあります。こうした仕組みによって、業務を離れた場所でより深い交流が生まれることに期待が寄せられています。
さらに、ヘルスケア領域に力を入れる企業では、健康経営の一環として、フィットネスジムの利用補助や栄養指導、リラクゼーションサポートなど、多角的な福利厚生メニューを提供しています。こうしたユニークな制度は、結果的に従業員の生産性を高め、企業全体の活性化に繋がっています。
福利厚生が良いとされる基準の最低ラインは?

では、どのような基準を満たせば、一般的に“福利厚生が良い”と評価されるのでしょうか?
福利厚生とは、給与や賞与以外で、企業が従業員に与えるサービスのことです。福利厚生には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があります。
ここではそれぞれの詳細と、福利厚生費の平均費用も紹介していきます。
法定福利厚生
法定福利厚生には、以下の6種類があります。
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 子ども・子育て拠出金
「健康保険」は、業務以外の病気やケガにより治療が必要になった場合に、従業員の実費負担を軽減するための制度です。従業員だけでなく、その家族(被扶養者)も加入できます。
健康保険には、中規模から大手企業が主に加入する「組合健保」と、多くの中小企業が加入する「協会けんぽ」があります。
「厚生年金保険」は、会社で働く従業員が加入する公的年金制度です。厚生年金保険に加入していれば、国民年金にプラスして年金が支給されます。
「介護保険」は、介護が必要になった際に、その費用を給付してくれる制度です。満40歳になると、健康保険料に加えて介護保険料の支払いが必要になります。
「雇用保険」は、従業員が失業や休業した場合に給付したり、再就職できるよう支援したりする制度です。また、労働者の能力開発や就職支援なども雇用保険の目的の一つです。雇用保険料は、企業と従業員で負担する割合が異なります。
「労災保険(労働災害補償保険)」は、業務中に病気やケガをした際に、従業員(死亡に対してはその遺族のため)に必要な費用を給付する制度です。労災保険料は、会社が全額を負担します。
「子ども・子育て拠出金」は、子育て支援のために会社が納める税金のことです。従業員の子どもの有無は関係なく、標準報酬月額と、標準賞与額をもとに算出された金額を会社が負担します。
経団連の「第64回福利厚生費調査結果報告」によると、2019年度の全産業平均の従業員1人1ヶ月あたりの法定福利費(法定福利厚生費)は84,392円でした。詳細は以下の通りです。
| 法定福利厚生費の種類 | 金額 |
| 健康保険・介護保険 | 31,041円 |
| 厚生年金保険 | 46,832円 |
| 雇用保険・労災保険 | 4,810円 |
| 子ども・子育て拠出金 | 1,671円 |
| その他 | 39円 |
法定外福利厚生
法定外福利厚生とは、それぞれの企業が自由に設定できる制度やサービスを言います。一般的に多くの企業で導入されているものとしては「交通費」「住宅手当」「健康診断の費用補助」「時短勤務制度」「リフレッシュ休暇」などが挙げられます。
経団連の「第64回福利厚生費調査結果報告」によると、2019年度の全産業平均の従業員1人1ヶ月あたりの法定外福利費(法定外福利厚生費)は、24,125円でした。詳細は以下の通りです。
| 法定福利厚生費の種類 | 金額 |
| 住宅関連 | 11,639円 |
| 医療・健康 | 3,187円 |
| ライフサポート(給食、財産形成、保険などの項目を含む) | 5,505円 |
| 慶弔関係 | 514円 |
| 文化・体育・レクリエーション | 2,069円 |
| 共済会 | 272円 |
| 福利厚生代行サービス費 | 309円 |
| その他 | 629円 |
福利厚生に関する費用をまとめると、全産業平均で従業員1人1ヶ月当たり108,517円となり、このうち、法定福利費は84,392円、法定外福利費は24,125円という結果でした。今後の参考にしてみては如何でしょう。
福利厚生が良いとされる基準の最低ラインは?

明確に「福利厚生が良い」と断言できるような基準はありませんが、法定福利厚生しかない会社は、福利厚生が良い企業とは言えないでしょう。
反対に、上述した一人あたりに使う法定外福利厚生費の平均24,125円よりも大幅に上回るほど福利厚生費が多い会社は、福利厚生が良い会社だと言えます。
法定外福利厚生にあたる、住宅手当や通勤手当の支給、有給休暇の取得を促進する仕組みなど、幅広いサポート体制が整っていると従業員からの満足度が上がります。最低ラインとしては、生活面や健康管理面で従業員が安心して働ける環境を用意できているかがポイントです。
さらに、企業文化との相性も重要です。高級な福利厚生が用意されていても、社員が活用できなかったり運用が複雑だったりすると効果を発揮しません。すべての社員が気軽に利用できる制度であるかどうかが、実質的な最低基準ともいえるでしょう。
あると嬉しい福利厚生は?福利厚生の人気ランキング

実際に従業員が喜ぶ福利厚生として、どのようなものが人気を集めているのでしょうか?
あると嬉しい福利厚生について、ビジネスSNSを提供しているWantedlyが「福利厚生の人気ランキングを発表!従業員満足度が高い制度と男女別の調査結果」を発表しています。アンケート調査結果によると、1位が「特別休暇」で64.4%、2位が「住宅手当・家賃補助」で44.4%、3位が「ヘルスケアサポート」で44.0%でした。ランキングで上位を占めた3つの項目について、以下で詳しく解説していきます。
特別休暇
特別休暇は、誕生日や結婚記念日などのライフイベントやリフレッシュを目的とした休暇を与える制度です。通常の有給休暇とは別枠で付与されることが多く、従業員の満足度向上に大きく貢献します。
企業によっては、結婚記念休暇やボランティア休暇などユニークな内容を設置しており、社員の生きがいや社会貢献への思いに沿った形で休暇を取得できるのが特徴です。
特別休暇を利用することで、心身のリフレッシュや家族との時間確保がしやすくなるため、長期的にみても社員が健康的に働き続けられるメリットがあります。
住宅手当・家賃補助
住宅手当や家賃補助は、従業員が住居費の負担を軽減し、生活基盤を安定させる上で重要な福利厚生です。とくに都市部で働く若手社員にとっては切実なニーズがあり、手厚い支援を行う企業が注目を集めています。
このサポートによって、通勤時間を短縮できるエリアに住むことが可能となり、結果としてワークライフバランスの向上や疲労軽減につながります。
また、住宅支援制度を充実させることは、優秀な人材を確保するための企業戦略としても効果的です。経済面の安心感が高まることで、長期的な定着が期待できます。
ヘルスケアサポート
従業員の健康維持のためのサポートが受けられるヘルスケアサポート関連の福利厚生も人気の一つで、最近では企業全体で増加傾向にあります。
具体的には、健康診断には含まれない「人間ドッグ」「診断」にかかる費用の援助が挙げられます。伝統的に人気があるのは、健康にも気を遣った食事を楽しめる社食のサービスです。
最近では、置き型社食やリモートワーク中でも近くのレストランを社食として楽しめるサービスなどが出てきています。また、後述するような、医療専門チームに相談できるヘルスケアアプリもおすすめです。
従業員を健康支援する福利厚生ならHELPO
従業員を健康支援する福利厚生を考えている方におすすめなのが、ヘルスケアアプリ「HELPO(ヘルポ)」です。HELPOは、チャットを使って24時間365日、医療専門チームに心身の相談が気軽にできます。医療専門チームには医師だけでなく看護師や薬剤師がいるため、さまざまな内容に対応可能です。
残業や休日出勤で病院になかなか行けない方でも、アプリを利用すれば気軽に心や身体など、健康に関する相談ができます。また、相談以外にもオンライン診療や特定保健指導、病院検索など、従業員の健康増進対策として使える機能が充実しています。
福利厚生のヘルスケアサポートに使えるサービスを探している方は、ぜひ導入を検討してみてください。
「福利厚生が良い」とされる基準は人それぞれ
福利厚生には、必ず定めるべき「法定外福利厚生」の他、企業が自由に定められる「法定外福利厚生」があり、この充実度により従業員の満足度は変わってきます。
ただし、「福利厚生が良い」とされる基準は価値観の違いもあるため、感じ方は人それぞれですが、「ヘルスケアサポート」は従業員の健康に関わることでもあり、人気がある法定外福利厚生であるため、まず「ヘルスケアサポート」から充実させていくと良いのではないでしょうか。
福利厚生の充実は従業員満足度だけでなく、企業のブランドイメージや優秀な人材の定着にも繋がります。足りない部分を補完しつつ、独自の制度で差別化を図ることで、企業の魅力アップと持続的な成長へと繋げられるでしょう。
この記事の監修者:健康経営エキスパートアドバイザー 中島 利保
略歴:看護師および上級心理カウンセラーの資格を持ち、企業での健康管理とメンタルヘルス支援に従事。現在、HELPOの健康相談も担当し、働く人の心身の健康づくりに取り組んでいる。





