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メンタルヘルスとは?意味や具体的な症状など解説
目次
現代社会で注目される「メンタルヘルス」
近年、ビジネスの現場でも「メンタルヘルス」という言葉を耳にする機会が増えました。
長時間労働や人間関係、急速な環境変化などにより、心の健康を保つことは容易ではありません。企業にとっても、従業員のメンタルヘルスを守ることは生産性や離職防止に直結する重要な課題です。
本記事では、「メンタルヘルスとは何か」という基本的な意味から、不調の原因、代表的な疾患、そして企業が実践できるメンタルヘルスケアの方法までをわかりやすく解説します。
本記事は健康経営エキスパートアドバイザーの中島利保さんによる監修を受けています。
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メンタルヘルスとは?意味とWHOによる定義

メンタルヘルスを日本語に訳すと、「心の健康」という意味になります。英語の「Mental Health」をそのままカタカナにしたもので、直感的にもわかりやすい言葉なのではないでしょうか。「心の健康」と言われても、具体的にどのような状態を指しているのか、ピンとこない方も多いでしょう。そこで参考にしていただきたいのが、世界保健機関(WHO)による定義です。世界保健機関によると、心の健康とは、以下のような状態を指します。
- 日々のストレスに対処できる状態
- 自分の可能性を信じて力を発揮できる状態
- 研さんを積んで建設的に働ける状態
- 地域社会に貢献できる状態
厚生労働省が令和5年に行った労働安全衛生調査(実態調査)によると、仕事や職業生活において、ストレスを感じている労働者は82.7%いることがわかりました。つまり、多くの労働者がメンタルヘルスに不調を感じているのです。
こうした結果を踏まえ、厚生労働省では労働者の安全と健康を守るための「労働災害防止計画」を策定するなどして、安全衛生水準の向上を図っています。
(参考: World Health Organization 『 Mental health: strengthening our response 』)
(参考:厚生労働省『令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)』)
(参考:厚生労働省『労働災害防止計画について』)
メンタルヘルス不調が増えている背景
厚生労働省が実施した令和5年の「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活においてストレスを感じている労働者は82.7%にのぼります。
ストレスの主な要因としては次のようなものが挙げられています。
- 仕事の失敗・責任(39.7%)
- 仕事の量(39.4%)
- 対人関係(29.6%)
現代社会では、テレワークや長時間労働、情報過多などによって、心の負担が蓄積しやすくなっています。企業が従業員のメンタルヘルスを軽視すれば、休職や離職、生産性の低下といったリスクが高まります。
メンタルヘルスの社会問題・社会的意味

メンタルヘルスは個人だけの問題ではなく、社会全体で取り組むべき重要な課題でもあります。その背景と社会的な意味を見ていきましょう。
近年では、心の不調がもたらす影響は企業や地域社会にまで広がることが多くなっています。例えば、従業員のメンタルダウンが組織全体の生産性低下につながり、結果的に経済活動にも影響が及ぶ場合があります。
また、精神的に困難を抱えた人々が活躍できる環境や、気軽に相談できる地域のサポート体制を整備することは社会的にも大きな課題です。差別や偏見が存在すると、適切なサポートが受けにくくなり、当事者の孤立を深めてしまいます。
これらを踏まえ、厚生労働省をはじめとする行政機関や企業が協力し、包括的なケアシステムを構築する動きが広がっています。誰もが相談しやすく心の健康を保てる社会づくりが急務となっているのです。
メンタルヘルス不調(メンタルダウン)に見られる主な疾患
メンタルヘルス不調といっても、その内容は多岐にわたります。ここでは代表的な疾患を紹介します。
依存症やうつ病のような馴染みのある病名だけでなく、強迫性障害や摂食障害など、日常的にはあまり語られないものも深刻な問題として位置付けられています。
特に初期段階では、自分が心の病気かどうかを判断しにくい場合があります。周囲から見ても『最近元気が無い』程度の変化しかなく、気づかないうちに不調が進行することもあります。自覚症状が出た段階で適切な対応を取るためにも、代表的な疾患を押さえておくことは重要です。
依存症
アルコールや薬物、ゲームなど、特定の行動や物質への依存が極端に進むと自分の意思でやめられなくなり、生活や人間関係が乱れることがあります。心の渇きを何かで埋めようとして依存を深めてしまうケースが多いです。
依存症は心身両面に大きな負担を与えるため、周囲の協力と専門的な治療が欠かせません。早期介入によって回復の可能性が高まるため、気になる兆候があれば早めに相談することが重要です。
うつ病
うつ病は長期にわたる憂うつ感や意欲の低下、興味の喪失などが主な症状です。日常的なストレスや大きな環境変化がきっかけになることがありますが、原因がはっきりしない場合も少なくありません。
気分の落ち込みが続き、普段は楽しめるはずのことに全く興味がわかない状態が長引くなら、専門家に相談することを検討しましょう。早期発見・早期治療によって軽快が見込まれる病気です。
強迫性障害
自分でも不合理だと分かっていても、特定の行為や考えが頭から離れず、何度も繰り返してしまう障害です。例として、極端な手洗い行為や同じことを確かめ続ける確認行為などが挙げられます。
日常生活に大きな支障をきたす場合が多く、本人の苦痛も深刻です。行動療法や薬物療法などが効果的な場合もあるため、専門家の力を借りて適切な治療を行うことが重要となります。
摂食障害
過度なダイエットや過食、嘔吐を繰り返すことで体型や体重への執着が大きくなり、心身ともにダメージを受けるのが摂食障害です。特に若年層の女性に多いとされていますが、性別や年齢を問わず誰でも発症し得る疾患です。
食事だけでなく、人間関係や自己評価とのゆがんだ関連が背景にあるケースが多く、専門医療機関のサポートや心理的なケアが不可欠となります。
双極性障害(躁うつ病)
気分が高揚する躁状態とうつ状態を繰り返すのが双極性障害の特徴です。テンションが異常に高い期間と憂うつ感が強い期間が交互にやってくるため、周囲からの理解が得にくい場合もあります。
適切な薬物療法やカウンセリングを続けることで、症状のコントロールは十分に可能です。安定している期間でも再発予防の取り組みを行うことがポイントとされています。
パーソナリティー障害
特定の考え方や行動パターンが極端に偏り、対人関係や社会生活において大きな問題を引き起こす場合を指します。本人は自分の思考・行動が当たり前だと感じているため、トラブルの原因が自覚しにくいこともあります。
障害のタイプによって症状は多様ですが、周囲の理解不足で孤立しやすい一面があります。適切な心理療法や、生活上のサポート体制が重要です。
統合失調症
幻覚や妄想など、認知や思考に混乱をきたす病気として知られています。発症初期の段階で対応することで、症状をうまくコントロールしやすくなることが分かっています。
家族や周囲の人が早期に違和感を察知して、精神科医などに相談することで早期発見に繋がります。適切な治療によって社会復帰や職場での活躍が可能な事例も多い疾患です。
パニック障害・不安障害
突然の激しい不安や動悸、呼吸困難など、パニック発作と呼ばれる症状を繰り返し経験するのが特徴です。原因はさまざまで、ストレスや遺伝的要因と結びつくこともあります。
発作が起きる場所や状況を避けることで生活範囲が狭まるケースもあります。適切な治療を行い、リラクゼーションや認知行動療法で不安をコントロールしていくことが大切です。
メンタルヘルスケアとは?企業には重要な課題
企業のメンタルヘルスケアとは、従業員の心の健康を守り、働きやすい職場をつくるための取り組みです。厚生労働省は「労働災害防止計画」において、メンタルヘルス対策を重要項目として位置づけています。
企業が行うべき3つの基本ステップ
- 不調を未然に防ぐ
ストレスチェック制度やセルフケア研修を導入し、従業員自身がストレスに気づける環境を整えます。 - 不調を早期に発見する
上司や人事が定期的な面談を行い、小さなサインを見逃さない仕組みを作ります。 - 復職をサポートする
段階的な復職制度や産業医との連携体制を整え、再発防止と職場定着を支援します。
企業で実践できるメンタルヘルスケア施策の例

実際に企業がどのようなメンタルヘルスケア施策を導入しているのか、主な事例を挙げてみましょう。
下記がまとめたものになりますが、それぞれ見ていきましょう。
| 取り組み | 内容・ポイント |
|---|---|
| ストレスチェック制度 | 年1回の実施で従業員のストレス状態を把握し、必要に応じて面談を実施。 |
| 産業医・カウンセラーによる相談体制 | 社内常駐または外部連携により、専門家へアクセスしやすくする。 |
| EAP(従業員支援プログラム)導入 | 業務・プライベートを問わず、匿名で専門家に相談可能な仕組み。 |
| 職場環境の改善 | 業務量・人間関係・勤務時間の見直しによるストレス軽減。 |
| ヘルスケアアプリの活用 | スマホでストレス状況や睡眠を可視化し、セルフケアを促進。 |
ストレスチェック制度
従業員が自分のストレス度合いを定期的に確認できる仕組みを導入します。具体的には厚生労働省が推奨するストレスチェック制度を活用し、従業員の気づきの機会を増やす方法が一般的です。
チェック結果によって高ストレスと判断された従業員には面談や追加のフォローを行い、早期にケアを施すことが可能です。
産業医・カウンセラーによる相談体制
産業医やカウンセラーを社内に常駐させたり、定期的に訪問してもらうことで、従業員が最適なタイミングで専門家にアクセスできる状態を作る方法もあります。外に相談するよりもハードルが低くなり、早期発見・早期ケアにつながりやすくなります。 医療の専門知識を持つスタッフとの連携があるだけで、従業員の安心感が高まり、メンタルダウンを防ぐ土台を築く効果が期待できます。
EAP(従業員支援プログラム)導入
外部のEAP(従業員支援プログラム)サービスを導入し、従業員がプライベートな相談を気兼ねなく行える仕組みを整える企業も増えています。専門家へ電話やオンラインで気軽に相談できるため、業務時間外でも利用しやすい点が特徴です。
企業規模や予算に応じてサービスを活用し、個々のニーズに合わせたサポートを受けられる体制を築くことが大切です。
関連記事:EAPとは?目的・メリットは?外部の専門機関がおすすめ
職場環境の改善
日々の業務量や実際の労働時間を見直し、余裕をもって仕事ができるような体制を整備します。加えて、コロナ禍でテレワークが増えた現在、オンライン上のコミュニケーションや業務ルールを明確化する取り組みが重要になっています。
職場で生じる困りごとや小さなストレスを見過ごさず、早めに環境を適切に調整することが従業員の心を守るうえで欠かせません。
- 無断欠勤している
- いつもより元気がない
- 会話をしなくなる
- 表情が曇っている
- 言動が不自然
上記はメンタルヘルス不調の一例です。双極性障害のように、「ハイテンションな状態が続いている」といった場合にもメンタルヘルス不調かもしれないため、普段の様子と比較してチェックしましょう。本人が不調を自覚している場合、その不調に速やかに対応するためには、日頃から相談しやすい環境を作っておく必要があります。
こちらの記事もおすすめ:メンタルヘルス不調の症状・サインは?職場での対応事例もご紹介
ヘルスケアアプリの導入
スマートフォンで手軽にストレス状況を記録・分析できる健康管理アプリは、近年多くの企業が注目する施策の一つです。自分のコンディションを可視化することで、生活習慣の改善やストレスコントロールに役立ちます。
企業として一括契約を行い従業員へ配布する事例もあり、個人だけでなく組織全体の健康度合いをチェックできるようになるのもメリットです。
メンタルヘルスケアに取り組む企業のメリット

企業がメンタルヘルスに積極的に取り組むことで、次のような効果が期待できます。
企業ブランドの向上
健康経営やウェルビーイングを重視する企業姿勢は、社会的評価を高めます。
従業員の生産性向上
安心して働ける環境が集中力や創造性を高めます。
離職率の低下・採用力の向上
“働きやすい企業”として評価され、人材定着につながります。
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まとめ:心の健康を守ることが企業の成長を支える

メンタルヘルスとは「心の健康」を意味し、働く人が自分らしく力を発揮するための基盤です。
職場でのメンタル不調は個人だけでなく、組織全体のパフォーマンスにも影響を及ぼします。
企業が従業員の心に寄り添い、相談しやすい体制を整えることが、持続的な成長と信頼される組織づくりの第一歩です。
HELPOのようなツールを活用しながら、従業員一人ひとりが安心して働ける職場を目指しましょう。
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